2009 Fiscal Year Annual Research Report
構造振動-音響理論に基づく回転式打音検査システムの開発
Project/Area Number |
21360215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 佳巨 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (40304737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90411230)
玉井 宏樹 福岡大学, 工学部, 助教 (20509632)
佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 助教 (10325508)
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Keywords | 回転式打音検査 / 浮き・剥離 / 音響解析 / 構造振動 |
Research Abstract |
近年,老朽化した構造物に対して適切に維持補修を行い,ライフサイクルコストの低減を図ることの重要性が非常に高くなり,様々な構造物の非破壊診断手法の研究・提案がなされている。本研究は最も簡易な非破壊検査の一つである打音法に着目し,従来の打音法の作業効率を飛躍的に向上させることを目的に開発された「回転式打音法」を用いた診断システムの開発を目指すものである.平成21年度に行った研究により得られた成果を以下に示す. (1) 回転式打音法で連続的に加えた打撃による音の性質に関して検討を行った結果,打音の時間間隔は毎回ほぼ一定で約0.020~0.025secであり,1回の打撃音が発生してから,次の打撃音が生じるまでに音圧レベルはおよそ10%以下まで減衰する.これより,回転式打音法による連続打音は,個々がそれぞれ独立しているとみなすことができる. (2) 供試体実験を想定した音響解析により,欠陥を有する供試体は高周波域の音が卓越するとともに,音圧も増大する傾向を再現できた.このことから,回転式打音法を模擬した振動解析と音響解析を併用して行うことで,実験結果を良好にシミュレートできることが確認された. (3) 現実に劣化損傷した複数のコンクリート製橋梁に対して打音検査を実施し,欠陥部の検出精度について検討を行った結果,音圧の最大振幅と継続時間を特徴量として散布図を作成することで欠陥の有無を明確に把握できることがわかった.また,従来のテストハンマーによる打音検査と回転式打音検査を比較すると,回転式打音検査法の方が検出率が高いことが確認できた.
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Research Products
(3 results)