2010 Fiscal Year Annual Research Report
空気注入による格段に安価な液状化対策工法の確立と地盤内環境への影響
Project/Area Number |
21360226
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡村 未対 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (50251624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 英明 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70432797)
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Keywords | 液状化対策 / 不飽和 / 設計法 |
Research Abstract |
本研究では、不飽和化による格段に安価な液状化対策法を確立し、設計法を提案することを目的としており、そのためにネックとなっている要素技術課題の解決を図るものである。H22年度の主な成果を以下に述べる。 (1)水平地盤,および構造物を有する地盤中への空気注入実験を遠心模型実験装置を用いて行った。空気注入中の水圧、飽和度の地盤内分布と注入圧の関係を調べるとともに,2軸貫入装置により地表面の沈下量分布とコーン貫入抵抗の分布を空気注入前後に測定すると共に,気液二相流解析を行った。その結果,空気注入中の水圧の深度と空気圧の深度分布が明かとなり,有効応力がゼロに近い領域で地盤のゆるみが発生することを確認した。この緩み領域は,地表面から数十cm程度に限定的され,実務上問題にならないことが多いものと考えられる。 (2)構造物の液状化対策法としての有効性を検証すると共に適切な対策範囲についての知見を得るための液状化地盤上の盛土の遠心模型実験を行った。未改良地盤(飽和地盤)と対策範囲を変えた対策地盤(部分的に不飽和領域を設けた地盤)のケースについて行った。実験では、地盤の飽和度の制御が極めて重要であるため、模型地盤の飽和度の制御法と高精度の測定法(0.1%)を用いて初期条件の明確な実験を行った。盛土直下を不飽和化することにより,盛土底面の沈下量は約7割低減し大きな効果が確認された。しかしながら,盛土直下の液状化対策を行うことにより盛土の変形モードが変化し,盛土に発生する亀裂が増加することも観察され,基礎地盤の沈下抑制のための液状化対策と共に盛土の健全性を保つための対策も併せて検討する必要があることがわかった。
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Research Products
(2 results)