2011 Fiscal Year Annual Research Report
微生物のエネルギー代謝を利用した新たな地盤環境改善技術に関する研究
Project/Area Number |
21360227
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大嶺 聖 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60248474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 信一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60108678)
安福 規之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20166523)
大石 京子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20110835)
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Keywords | 有機系資源 / 地盤環境 / 好塩菌 / 重金属汚染土 / 六価クロム / 塩害土壌 / バイオレメディエーション / 石炭灰 |
Research Abstract |
本研究では,多様な地域資源の中で有機系資源を有効活用した新たな地盤環境改善技術の適用性を検討した。様々な地盤環境問題が生じているが,できるだけ自然の材料を活用し,低コストでかつ環境負荷の低減を図ることにより,アジア地域へ広く適用することのできる持続可能な技術の開発を目指している。その中で,バイオレメディエーションによる重金属汚染土および石炭灰の環境負荷低減技術の適用性を明らかにするとともに,東日本大震災で津波被害を受けた塩害土壌について,好塩菌堆肥による除塩対策のの現地試験を実施した。 得られた結論は以下のとおりである。 1)ホウ素,フッ素,ヒ素,セレンなどに耐性のある微生物を同定することができた。これらの微生物によって重金属類の濃度を低減させることができる。 2)石炭灰については,乳酸菌・酵母・納豆菌などの身近な微生物を加えることにより,六価クロムの溶出量を低減させることができる。 3)石炭灰の埋立地から採取したサンプルからホウ素に耐性のある微生物を分離・同定し,溶液中のホウ素の濃度を低下させることができた。また,グルコマンナンによるホウ素の除去効果を確認することができた。 4)堆肥に含まれる耐塩性試験により,16~18%程度の塩分濃度でも増殖できる数種類の好塩菌が存在することが確認できた。また,好塩菌堆肥を塩害土壌に混合することにより塩類濃度を約1ヶ月で4割程度低減できることを示した。さらに,岩手県陸前高田市の農地で塩害対策の実証試験を開始した。
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Research Products
(7 results)