2009 Fiscal Year Annual Research Report
豪雨災害時の浸水減災シミュレータの開発と樹林帯の減災効果に関する研究
Project/Area Number |
21360237
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 壽一郎 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 教授 (20192916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重枝 未玲 九州工業大学, 工学研究院, 准教授 (70380730)
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Keywords | 洪水氾濫解析 / 数値シミュレーション / 洪水防御計画 / 浸水対策 / 都市域 / FDS / 非構造格子 / ハザードマップ |
Research Abstract |
「研究実施計画」の研究I~IIIに関する当該年度の研究実績は,以下のとおりである。 研究I(浸水減災シミュレータの開発) (1) 破堤幅/河道幅や河道でのFroude数を変化させた破堤氾濫流の模型実験を実施し,「洪水・氾濫流包括解析に基づく高精度洪水・氾濫流モデル」の検証データを収集した。(2)「高精度な地盤高・河道特性データ」の作成および「GISによる流域情報の一元管理」を実施し,これらを「高精度洪水・氾濫流モデル」に組込み,「浸水減災シミュレータ」へと発展させた。 研究II(樹林帯の減災機能の工学的な評価とその整備・保全法の開発) (1) 研究実施計画である「樹林帯を考慮した完全越流式」に止まらず,完全越流ともぐり越流の両越流状態について,「堤外樹林帯」の樹林帯特性を考慮した氾濫流量式を開発した。「堤内樹林帯」については,二線堤との組合せによるもぐり越流状態での氾濫流量式を開発し,検討を加えた。また,樹林帯による流れの減勢効果についても,実験と理論予測の両面から検討を加え,樹林帯による水位上昇および家屋等に働く流体力低減効果を評価した。(2)完全越流から破堤あるいは完全越流からもぐり越流を取り扱えよう,「堤防の信頼性モデル」を考慮して「高精度洪水・氾濫流モデル」を拡張する計画であったが,その前に破堤氾濫に対する「高精度洪水・氾濫流モデル」の予測精度の検証が必要であることから,この検証を研究Iで得られた検証データに基づき実施した。その結果,「高精度洪水・氾濫流モデル」が完全越流からもぐり越流状態での破堤氾濫流の氾濫流量と氾濫流特性を良好に再現できることを明らかにした。 研究III(浸水減災シミュレータの実流域への適用と樹林帯等により発現される減災効果の総合的な評価・検討,及びそこでの効果的な雨水管理法と減災法の提案) (1) 遠賀川流域の詳細な流域特性,河道・堤防特性等に関する現地調査・資料の収集・整理を行い,「高精度な地盤高・河道特性データ」としてデータファイル化した。(2) 研究Iで開発した「浸水減災シミュレータ」により,降雨外力から遠賀川流域の飯塚市での詳細な浸水プロセスを予測することが可能となった。
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Research Products
(12 results)