2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会的費用を考慮した社会資本アセットマネジメントに基づく地域リスクガバナンス
Project/Area Number |
21360243
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 朗義 岐阜大学, 工学部, 教授 (30322134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10263104)
出村 嘉史 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90378810)
北浦 康嗣 岐阜大学, 工学部, 助教 (90565300)
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Keywords | アセットマネジメント / ライフサイクルコスト / 災害リスク / PDCAサイクル / リスクガバナンス / 維持管理 / 地域協働 / 人的ネットワーク |
Research Abstract |
道路舗装,橋梁等の社会基盤施設を対象に,これらを社会経済システムの中で一体的に管理する社会資本アセットマネジメントを本格的に実践してくため,地域協働型でCAPDサイクルを廻し,構造物の劣化および災害・事故等のリスクに対して安全で安心して暮らすための地域リスクガバナンスのシステム構築に向けて検討した. 1. 多面的評価に基づく社会資本アセットマネジメント手法の開発 道路ネットワークの構成要素である,橋梁および舗装に関して,多面的な社会的費用を考慮した最適維持管理レベルを検討した.個々の構成要素の最適サービス水準を決定する方法論を構築するとともに,所与の予算制約下における最適維持管理戦略策定を検討した.その結果,最適サービス水準は交通量が多いほど高く維持することでライフサイクルコストの縮減が可能である,などの知見を得ている. 2. 専門技術者を活用した地域協働型のCAPDサイクルシステム手法の開発 社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)や道守など,社会資本アセットマネジメントの担い手として養成されている専門技術者を有効活用するためのアウトソーシング手法について,地域として一体的に管理する範囲や体制,企業間連携による効果を整理した. 3. 安全・安心な暮らしのための地域リスクガバナンス手法の開発 リスクガバナンスのコアとなる戦略的計画立案手法について,CAPDサイクルに馴染むような変更・修正し易い計画を立案可能な手法を検討した.また,岐阜県メンテナンスサポーター等の地域の人材や仕組みを有効活用した協働型の地域リスクガバナンスのフレームワークを検討した.さらに,地域リスクガバナンスの担い手としての持続的な人的ネットワークの構造やその形成に関して,史的なアプローチを試み,消防団を母体とした地縁組織に支えられ,まちのリスクガバナンスを如何に可能にしてきたかについて分析した.
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