2011 Fiscal Year Annual Research Report
促進酸化とイオン交換による親水性化合物を考慮した次世代高度浄水処理プロセスの開発
Project/Area Number |
21360257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 禎彦 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10184657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後 信哉 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70359777)
大河内 由美子 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (00391079)
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Keywords | 促進酸化処理 / イオン交換 / 溶存有機物 / 微生物学的安全性 / 浄水処理システム |
Research Abstract |
水道原水からの除去が困難な親水性化合物の除去を可能とする従来の高度浄水処理プロセスに促進酸化処理(オゾン/過酸化水素処理およびオゾン/過酸化水素処理)とイオン交換処理を加えた新しい浄水プロセスを開発することを目的に実験的検討を行った。昨年度は促進酸化処理とイオン交換処理の組み合わせについてDOC除去率や塩素消費量といったマクロ指標的な観点から評価を行ったが,平成23年度は分画手法により,オゾン/過酸化水素処理により詳細な処理特性の把握を試みた。分画手法には,Leenheerの方法を用いた。この方法では試料をpH2に調整した後,疎水性画分をDAX-8に,次に塩基性DOM(Bas)を陽イオン交換樹脂MSCに,さらに親水性酸を陰イオン交換樹脂MSA吸着させるものである。この方法により,原水は親水性中性物質が多く,DOCの除去が難しい場合にも,促進酸化処理により十分にイオン化が進行し,後段のイオン交換処理で効率的にDOCの制御が可能となることを指摘した。また,塩素消費量の観点から重要な溶存有機物の画分は単位DOCあたりでは塩基性画分であるが,濃度比を考慮すると親水性酸が重要であることがわかった。さらに,オゾン/過酸化水素処理後の残留過酸化水素の除去法について検討を行ったが,粒状活性炭との短時間(数秒間)の接触では十分に除去されないことが明らかとなった。残留過酸化水素濃度は後段の塩素要求量に大きく影響するため,通常の粒状活性炭処理を簡略化する場合には十分な注意が必要であることを指摘した。
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Research Products
(1 results)