2009 Fiscal Year Annual Research Report
面外挙動と梁の変形拘束を考慮したURM壁付きRC建物の被災度判定手法の実用化研究
Project/Area Number |
21360262
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中埜 良昭 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (10212094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 典之 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60401270)
崔 琥 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40512009)
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Keywords | 面外挙動 / 梁の変形拘束 / URM壁 / RC建物 / 被災度判定手法 |
Research Abstract |
本研究の主目的は,無補強組積造(URM)壁を有するRC造架構を対象に,地震後に目に見える損傷である「残留ひび割れ幅」と建築物が保有する「地震被災後の耐震性能(残存耐震性能)」の関係を静的および面外加振を含む動的載荷実験を通じて明らかにし,国外でも直ちに適用可能な被災度判定手法の実用化を目指すものである. 本年度は上記の目的を実現すべく,次年度以降に実施予定の試験体の設計および実験を念頭に,以下の項目について基礎的検討を行った. 1.URM壁用縮小コンクリートブロック(CB)ユニットの製作方法の改善 既製作のCBユニットでは,モルタルの詰め方や脱型を人力で行ったため,強度や剛性にばらつきが生じていた.これらのばらつきを解除するため,モルタルを一律的に詰め固める方法や脱型装置を考案し,改善方法で製作したCBユニットが所期の性能を確保しているかを検討・確認した. 2.URM壁付きRC造縮小架構の静的加力実験結果の詳細検討 既に実施した2階梁の変形を考慮した柔梁縮小試験体の静的加力実験結果の検討より,試験体の製作・設置の際に部材(柱および梁)に生じたひび割れが部材の剛性を低下させ,架構全体の挙動に大きな影響を与えたことや,2階部分にURM壁を充填していなかったため,梁に損傷が集中したことなどが明らかになった.来年度以降の試験体の設計・製作の際にはこれらの検討結果を反映する計画である. 3.ひび割れ幅デジタル計測システムの構築 本研究の検討対象であるひび割れ幅(ひび割れ長さも含む)の高精細画像データ取得に,長時間を要するCCDスキャナではなく,電動スライダを組み合わせた平面走査装置に接写専用デジタルカメラを取り付けた平面ひび割れ画像自動取得装置の利用について検討を進め,装置の製作・キャリブレーション作業を行った.
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Research Products
(5 results)