2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360264
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
元結 正次郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60272704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 国男 東京工芸大学, 工学部, 教授 (40468913)
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Keywords | 天井 / スプリンクラー / 耐震性能 |
Research Abstract |
平成23年度は、クリップ接合部の要素実験を通してクリップ接合部耐力の定量的な把握を行うとともに、この接合部耐力のバラツキが天井の損傷に及ぼす影響を数値解析的に検討し、天井面に作用する加速度(慣性力)に対する損傷確率をフラジリティ・カーブとして提示した。また、提示したフラジリティ・カーブの結果は過去の実験と比較することで妥当性の検証を行った。昨年度行った天井面の安定性に及ぼす吊りボルトピッチの影響および吊りボルト長さの影響を定量的に評価することに成功しており、標準仕様とは異なるピッチや材長が天井面の安定性低下につながることを示した。また、2011年3月11日に発生した東北地方北太平洋沖地震による天井ならびにスプリンクラーの被害調査を仙台、茨城、東京、神奈川を中心に行い、本研究で想定した形式による被害が多く発生していることを確認し、本研究の妥当性・必要性を再確認した。 さらに、上記地震被害を受けて設置された国土交通省による基準整備促進事業「地震被害を踏まえた非構造部材の基準の整備に資する検討」(事業主体:一般社団法人建築性能基準推進協会)では、天井耐震計画WG主査として参画し、本研究にて培ってきた内容、特に、接合耐力および天井の剛性ならびに固有周期評価方法などを用いて、天井の耐震計画のあるべき姿について具体的な方策を提示した。このことは、本研究成果が単なる学術論文としてではなく、実効性のある知見として評価されていることを意味している。
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