2010 Fiscal Year Annual Research Report
木質偏心住宅の捩れ応答と制振壁による捩れ応答制御に関する研究
Project/Area Number |
21360265
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (80205749)
|
Keywords | 木質立体架構 / 捩れ応答 / 剛性偏心 / 制振構造 / 柱横架材接合部 / ビス・引寄せボルト / 履歴モデル |
Research Abstract |
本年度は,研究実施計画で,1)ドリフトピンと金物を用いたモーメント抵抗接合,長ほぞ込栓による伝統的な接合の両者に対する挙動把握を行う,2)耐力要素の配置を変えるなどして既存骨組の挙動を把握するための実験を行う,3)方杖型ダンパーを組み込んだ制振壁の挙動をより精確に予測できるモデルの構築を行い,そのモデルを用いてより合理的で高効率の制振壁の開発を行う,ということにしていた。1)~3)に関して,予定通りに研究を実施した。主な成果を以下に示す。 1)ドリフトピンと金物を用いたモーメント抵抗接合,長ほぞ込栓による伝統的な接合の両者に対して繰り返し載荷実験を行って,接合部の力学的挙動を予測しうる力学モデルの構築を行った。 2)耐力要素の配置を変えたモーメント抵抗骨組の繰り返し載荷実験を行い,耐力要素の配置が全体挙動に与える影響を把握した。 3)方杖型ダンパーを組み込んだ制振壁の挙動を把握し,水平バネ系への変換法を示した。この中で,制振架構の水平バネ系への変換法を,非線形領域まで拡張する手法を示し,付加するダンパー量とシステムの動的特性・部材最大応答の関係を示した。また,この手法を用いることにより,方杖型制振壁のシステムの剛性・最大耐力・消費エネルギー量を高精度で予測できた。さらに,方杖型架構の骨組解析を行い,架構の幾何学的形状や柱の曲げ剛性の違いがシステムの特性に与える影響を示した。
|