2011 Fiscal Year Annual Research Report
拡散性制御に基づく先進的空間音響設計スキームの構築
Project/Area Number |
21360275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80282995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 敬二 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90284744)
大嶋 拓也 新潟大学, 大学院・自然科学系, 助教 (40332647)
安田 洋介 神奈川大学, 工学部, 准教授 (90456187)
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Keywords | 室内音響 / 残響 / 音響拡散 / 乱反射率 / 幾何音響シミュレーション / 波動音響シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、壁面の部位音響性能として従来の残響設計で用いられる吸音率に加えて、新たに音響反射の拡散性指標を導入し、部位レベルの拡散性を制御する方法論、さらにはそれに基づく空間全体の音響設計スキームの構築を目指した。具体的には、模型実験・数値解析・聴感実験を通じて、拡散性指標に基づく拡散壁の形状設計方法の確立、各種音響空間における拡散壁配置に関する設計スキームの構築を目的とし、以下の成果を得た。 3年目の最終年度は、各ユニットで以下の課題群に取り組み、年4回の定期会合で研究成果の情報交換・議論を行い、最終的な取りまとめ作業を進めた。 課題1a:(東大)既に構築した乱反射率測定システムに関して、国際規格の測定法自体に問題点を発見し、適切な測定条件を解明した。追加的に、実大残響室において測定システムを構築し、模型実験との比較により検証を深めた。 課題1b:(東大・神奈川大)乱反射率の新たな数値解析手法を検討し、解析を実施した。その結果に対して、様々な観点で反射指向特性の評価を試み、指標化に向けての課題を整理した。 課題2a:(東大・新潟大)直方体室における拡散壁の効果をFDTD法による波動シミュレーションにより再現するとともに、昨年度新たに提案した残響理論の妥当性を検証した。 課題3a:(熊本大)壁面条件の異なる居室を実験的に製作し、室内インパルス応答の計測を実施するとともに、現場において被験者による印象評価実験を行い、壁面吸音・拡散の効果を聴感的に検証した。さらに、無響室内に構築した6ch音場再生システムを用いて、再現音場における印象評価実験を対比的に行った。 課題3b:(東大)幾何音響シミュレーションにより円形室の室内インパルス応答を算出し、無響室内の6ch音場再生システムを用いて、エコーの印象評価実験を行った。特に、音源点と受音点の位置関係が室内音響指標へ及ぼす影響について詳細な検討を行い、印象評価との対応を明らかにした。
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Research Products
(21 results)