2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハビタットシステムの未来シナリオと環境負荷削減可能量に関する研究
Project/Area Number |
21360277
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤司 泰義 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (60243896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 謙太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (10274490)
志賀 勉 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (00206070)
鶴崎 直樹 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (20264096)
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00232067)
趙 世晨 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (80304848)
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Keywords | ハビタットシステム / 未来シナリオ / 環境負荷削減可能量 / システムダイナミクス / データベース |
Research Abstract |
本研究は、都市・建築の持続化に向けた施策立案を支援する方法論の構築を目指して、都市・建築を複雑な社会動態が包含された非線形性の強いハビタットシステムとして捉え、その環境負荷の未来シナリオをシステムダイナミクス手法によって長期に予測することによって、要素技術・社会制度・経済的支援等の導入と普及に応じた環境負荷削減可能量を明らかにするものである。 平成23年度(最終年度)では、これまでの研究成果に基づいて、人口、世帯数、従業者数、土地利用、経済、戸建・集合住宅、事務所、卸小売店、飲食店、ホテル、病院、学校、その他サービス、製造業、建設業、旅客交通、貨物交通の全17セクタから構成されるハビタットシステムの活動量予測モデルと、統計データや既存のシミュレーション結果などから得られるCO_2排出原単位の推定値を用いて、福岡市を対象としたCO_2排出量の長期予測シミュレータ(~2050年)を完成させた。 この長期予測シミュレータによるハビタットシステムの活動量やCO2排出量の計算値を過去の実績値と比較することによって予測精度を検証したうえで、ゼロ・エネルギー・ビル(ハウス)の導入や建築物の長寿命化、太陽光発電や燃料電池の普及、建築設備コミッショニングの普及、エコ・カーの普及や公共交通機関への移動手段の変化といったCO_2排出量削減に向けた種々の対策を想定し、その導入・普及効果を長期予測シミュレータによって定量的に明らかにした。 本研究におけるCO_2排出量の長期予測シミュレータには、他都市への適用性および複数都市や供給・廃棄サイドへの拡張性などに将来的な改善の余地があるが、都市建築の持続化に向けた技術開発の方向性や社会制度のあり方を議論する際の有益な情報提供を可能にしている点で社会的・学術的意義を有するものと考えられる。
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Research Products
(8 results)