2009 Fiscal Year Annual Research Report
都心地下空間における街区・地下道一体型防災計画手法の開発
Project/Area Number |
21360282
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷見 雄二 Waseda University, 理工学術院, 教授 (40298138)
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Keywords | 地下空間 / 火災 / 浸水 / 煙制御 / 避難 / エスカレーター |
Research Abstract |
都心地下空間の防災の基本的可能性について、以下の検討を行なった。 (1)都心地区における地下道・公共的地下空間の実態調査 東京、上海、ハルビン、ソウルにおいて、駅等を中心に展開する地下道・公共的地下空間とその周辺の土地利用及び空間構成について実態調査し、煙制御等の施設整備及び避難動線の確保の可能性を検討した。 (2)街区・地下道一体型計画のプロトタイプの設計とモデリング 街区・道路を組み合わせたユニットとして、地下道付道路に囲まれた20000m^2の街区の再開発を想定し、次の2種類の基本計画を、(1)に基づいて行った。建物の地上部分は都心の一般的な容積率のもとで実現可能な規模とする。計画には、施設内容以外に、災害時に想定すべき避難人数の設定等も含む。 (1)在来型 街区建物地階が地下道と独立に計画され、接点となる開口部を特定防火設備等とする場合。 (2)街区・地下道一体型 地下道・街区周縁部を開放的にし、地下道へのバリアフリーアクセス、地下道の排煙・避難機能を街区側に持たせる。 (3)大規模地下空間の火災時の煙流動の槙型実験及び豪雨水害時の浸水性状に関するCFDシミュレーション 地下空間に特徴的な斜路・踊り場等の複合空間について1/20規模の模型実験を行った。次に地下空間全体を含む煙流動及び豪雨水害時の浸水性状の数値実験を行い、煙流動性状に関する再現性の確認と各種計画条件が煙流動性状及び浸水性状の及ぼす影響の把握を行った。 (4)エスカレーターの避難利用可能性に関する実験研究 エスカレーターを避難に積極活用した場合の群集を想定し、昇降機メーカーが保有する実験用エスカレーター及び大学校舎のエスカレーターによる避難行動実験を行い、エスカレーター避難の予測計算に必要なパラメータを把握した。実験では、停止・起動時の減速・加速、避難群集の密度、高齢者・妊婦等の避難要支援者の有無等をパラメータとした。
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