2010 Fiscal Year Annual Research Report
都心地下空間における街区・地下道一体型防災計画手法の開発
Project/Area Number |
21360282
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40298138)
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Keywords | 地下空間 / 火災 / 浸水 / 煙制御 / 避難 / エスカレーター |
Research Abstract |
最近の大都市の都心開発の典型として、ターミナル駅周辺の大規模地下空間の形成が挙げられる。こうした地下開発は、日本のみならず、中国、韓国等にも多く、防災的には、火災、水害等の危険がもともと大きいうえ、規制法令や建築年代が大きく異なる施設の複合を背景とする安全管理・災害対応の困難性等、複雑な課題を抱えている。巨大な歩行交通を有するターミナル駅周辺では、本来、地下空間は、道路交通から安全で気象条件等の影響を受け難い歩行者本位の空間として前向きに計画されるべきであるとの考えから、日本及び韓国、中国の地下開発の調査及び地下空間の火災時の煙制御、豪雨時の浸水緩和とこれら災害時のエスカレータ等を使用した避難計画に必要な設計手法、計算モデルの構築を行なった。特に地下空間では、火災と水害の危険が大きいが、避難誘導は災害を問わず標準化させることが混乱の発生を最小限にすると考えられるため、煙制御と浸水緩和の両方の影響緩和に有効な計画手法を考案し、それに基づく煙流動・新巣シミュレーションモデルを構築した。また、避難については、深層地下等ではエスカレータの使用が不可欠であるとの考えから、エスカレータの作動/停止の両条件で群集避難における歩行速度、入口の有効流動係数の測定等を行ない、階段(上昇歩行)のみならずエスカレータも使用することを前提とする避難計算法を構築した。本計算法のうち、階段歩行部分は、津波避難ビルの計画にも応用可能であり、その検討も行なった。海外の都心地下空間開発については、中国では、都市によって地下空間開発の都市計画的な位置付けが大きく異なり、空間構成も大きく異なること、韓国(ソウル、インチョン)では、防災上、日本の比較的古い地下開発に準じた特性を有すること等を明らかにした。
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Research Products
(5 results)