2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高層集合住宅プロジェクトのリスク・危険度評価手法の開発
Project/Area Number |
21360290
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金多 隆 京都大学, 産官学連携本部, 准教授 (10301243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古阪 秀三 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60109030)
大崎 純 広島大学, 工学研究科, 教授 (40176855)
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 教授 (90198911)
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Keywords | 建設マネージメント / 危機管理 / 都市計画・建築計画 / 減災 / 防災 |
Research Abstract |
今年度は、前年度までに構築したシステムに対する実務者の意見を集約し、システムの機能面において必要とされる改善と追加を行った。ここで実務者とは、発注者、CMr、管理会社を対象とした。システムの主な改善点は、以下の通りであった。 設計基準について、各社で蓄積される事例の量が膨大になり、認識できる限界を超えるため、かえって個人の経験に頼ってしまうことが指摘された。検索方法の一層の高度化、自社に影響する事例のみの抽出、リスク情報を表示する際に確率や影響度を明示するなど、優先順位の付与が求められた。特に集合住宅では、管理責任の範囲を意識して、専有部と共用部の事例を区別すべきであることが強調された。 他方、開発したシステムの利点として、例えば管理会社が入力・編集したページを、発注者が参照するなど、連絡手段として使うことができることが明らかになった。また、加筆者の属性情報を明確にした上で知識の集約を行えば、各リスク事象に対して各主体がどのような考えを持っているのかを知ることができ、円滑にプロジェクトを進行させる手助けとなる。こうして、従来は個人の経験の範囲に限定されていたものが、システムによって多数の人間の経験を共有できるようになり、一定の利用価値が認められた。 さらに、システムを運用する上で、居住者からのクレームに関する情報の重要性が指摘された。クレーム情報への対応方法(例えば関係者への注意喚起、居住者を安心させる方策、居住者への謝罪等の選択)を支援するしくみをあらかじめ用意しておくことが、実務者より提案された。
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