2011 Fiscal Year Annual Research Report
成熟社会インフラとしての環状構造コンパクトシティの再評価
Project/Area Number |
21360293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
出口 敦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70222148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 隆文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (00232067)
趙 世晨 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (80304848)
長 聡子 九州産業大学, 工学部, 講師 (70523653)
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Keywords | 都市計画 / 都市構造 / コンパクトシティ / 都心 / 環状線 / ミュンヘン / 歩行者 / 城壁 |
Research Abstract |
昨年度までの調査成果を基に、更にウィーン市、ミュンヘン市等の旧城壁の環状構造を持つ欧州都市の現地調査と環状構造を利用したコンパクトシティに関連する政策に関する調査を実施し、以下の成果を得た。 1)前年度までの研究成果と今年度の追加調査の成果に基づき、環状構造を有する欧米都市の都心部の環状構造体を比較し、近代化の過程における変遷や現状の規模・形態等について整理し、環状構造を有する都市の類型化を進めた。また、近世以前に形成された旧城壁等の環状構造や近代化の過程で形成された環状線が現代都市において如何なる役割を果たし、施設立地や移動の利便性における優位性の観点からコンパクトシティの都市構造としての可能性について分析と考察を行った。 2)ミュンヘンにおける環状構造の調査の結果、環状構造は細胞膜のような構造として理解でき、ゾーンごとの機能分担がある点を明らかにすると共に、1970年代から続く環状構造内部の歩行者専用道路の拡張と維持の課題や経緯を整理し、コンパクトシティの構造としての環状構造とその内部の歩行者専用化政策の課題を明らかにした。 3)ウィーンにおける調査結果の分析を進め、格子状構造による移動利便性と環状構造と公共交通の組み合わせによる移動利便性を施設間の移動距離による指標を用いて定量的に評価する方法を構築し、コンパクトシティとしての移動利便性の観点からウィーンの環状構造の優位性を検証し、明らかにした。その成果は、学術論文として投稿予定である。 また、保全型の環状構造の事例として、中国の都市における調査を進めてきたが、南京市とチベット・ラサ市での調査成果を取りまとめた。
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Research Products
(5 results)