2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンバージョン建築海外事例の開拓とデータベースの拡充およびデザイン手法の分析
Project/Area Number |
21360303
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 克弘 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80186733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田村 哲哉 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (70381457)
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Keywords | 建築史・意匠 / 建築計画 / コンバージョン / 海外調査 / デザイン手法 / ノルウェー / オランダ / ベルギー |
Research Abstract |
申請者は、2003年以降、世界各地の優れたコンバージョン事例の実地調査研究を継続し、2008年3月には、「世界のコンバージョン建築」(小林克弘、三田村哲哉、他2名共編著、鹿島出版会)を出版するにいたった。この著作は、イタリア全般、アメリカ全般、フランス全般、フィンランド全般、ドイツとオーストラリアの一部を対象として、海外における1990年代以降の多様なタイプのコンバージョン建築93事例に関する実地調査成果をまとめたものであり、近年のコンバージョン建築事例研究としては、世界的視野で見ても、最も充実した研究成果の一つである。本申請研究においては、可能な限り調査対象を広げ、現時点でのコンバージョン建築に関する世界トップレベルのデータベースを構築し、それらの事例のデザイン手法を考察することによって、コンバージョン建築に関する学術的調査研究を発展させることを目的とする。 本研究は4ヵ年計画であり、研究着手2年目は、デンマーク、スウェーデン、スイス、オーストリア、中国・上海を対象とし、3年目となる本年度は、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ドイツを対象としたの事例収集および建築コンバージョンの現地調査を行った。まず、各国で出版されている建築雑誌や建築関連図書の内、コンバージョン事例を取り上げている記事について、1990年以降に出版されたものを調べることで事例の開拓・抽出を行い、実地調査対象作品約100件を選定した。9月に上記4ヵ国おいて事例の実地調査を行い、ヒアリング、記録写真撮影、資料収集を行った。更に、年度内には、実地調査において収集した資料とヒアリング情報に基づいて、調査対象作品に関し、既存建築が有する建築造形、空間構成、造形理念など建築の根本に関わる部分の考察とコンバージョン・デザインの特性の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に着手して3年間が経つが、当初予想していた以上に、多くのコンバージョン建築事例を発見することができ、かつ、実際に海外調査によってその実態を明らかにすることができている。研究成果の公表も着実に行っており、既に投稿済み・発表予定も含めた日本建築学会大会での口頭発表論文数は、17編になる。審査論文の執筆および単行本としてまとめて作業も進めており、最終的に、極めて充実した研究成果をまとめることができる目処が立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度である2012年度は、研究とりまとめに力を注ぐ。そのため、必要な海外現地調査を行いつつ、先述したように、日本建築学会の審査付き論文への投稿および単行本の出版に尽力する。
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Research Products
(8 results)