2011 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中での超伝導臨界電流の歪効果の解明=応力・歪問題の新しい展開をめざして=
Project/Area Number |
21360312
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Research Institution | 公益財団法人応用科学研究所 |
Principal Investigator |
長村 光造 公益財団法人応用科学研究所, 名誉教授 (50026209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町屋 修太郎 大同大学, 工学部, 准教授 (40377841)
鈴木 裕士 (独)日本原子力開発機構, 研究員 (10373242)
土屋 佳則 (独)物質・材料研究機構, 特別研究員 (10455298)
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Keywords | 機械・電磁気特性 / 臨界電流 / ヤング率 / 耐力 / 不可逆歪 / 中性子回折 / 残留歪 / 高温超電導 |
Research Abstract |
今後人類が直面するエネルギー危機の解決のため、超伝導技術は最重要キーテクノロジーのひとつであり、これまで大容量送電ケーブル、エネルギー貯蔵、超電導発電機等のプロトタイプが作製され、熱核融合炉ITER計画では原型炉の建設が今まさに開始されたところである。しかしこのような状況においても、超伝導技術の真の実用化にはまだ克服すべき広範でかつ共通する材料科学的技術課題が立ち塞がっている。その根本には高臨界電流、低交流損失、高強度等の全体の機能を最大化した高性能・低コスト超伝導複合体の設計とその実用化を図らねばならない。本提案ではその中でも最も重要な臨界電流の応力・歪問題の解決を主目的とする。 平成23年度には次のような研究成果を得た。RIASにおいてBSCCOおよびYBCO高温超電導テープについて磁場中で引張荷重下での臨界電流測定を実施した。比較的低磁場下でのスケーリングの検討を行った。次にJAEAにおいてNb_3Sn線材の高磁場中で引張荷重下での臨界電流測定を実施した。引張歪に関するスケーリングの検討を行った。 J-PARC「匠」における残留歪測定は東日本大震災のため実施できなかった。Spring8においてNb_3Sn,Nb_3Alの局所残留歪の測定を行い、外部歪に対する超伝導層中の歪の応答を詳細し調べた。本研究をとおして、広い温度および磁場領域で実験的に明らかにした、各成分の臨界電流、残留歪、弾性定数、熱膨張係数等を総合して、定量性のある機械-電磁気特性解析モデルの完成を目指して現在まとめを行っている。これらの研究過程において圧縮歪を軽減した剛性の優れたNb_3Sn線材の改良を提案することができた。これによりある複合体構造を与えれば、その線材の機械-電磁気特性を予測することができるようになり、さらに可逆限界歪および応力の推定が可能となる。
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