2009 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外光励起での励起子によるホスト増感とダイナミクスおよび白色蛍光体の創製
Project/Area Number |
21360315
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小玉 展宏 Akita University, 工学資源学部, 教授 (90282152)
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Keywords | 真空紫外 / 励起子 / エネルギー / 増感 / 蛍光体 / ダイナミクス / 分光 |
Research Abstract |
本年度は、真空紫外ホスト励起で自己束縛励起子(STE)を発現する材料探索とSTEの分光及びSTEからアクセプタへのエネルギー移動(STE-R_1/STE-R_1-R_2)によるホスト増感とダイナミクスの解析を目的とし以下の成果を得た。 1.材料探索と真空紫外励起によるSTEの分光 ワイドバンドギャップのリン酸塩Li_3Sc_2(PO_4)_3(LSP)、ホウ酸塩LaSc_3(BO_4)_3(LSB)、フッ化物LaZr_2F_<11>(LZF)を合成し、150~180nm励起で、LSP、LSBにおいてSTEによる発光(295nm,310nm)が、またLZFではSTEまたはCT(電荷移動)バンドに帰属される発光(400nm)を見出し、それらの発光寿命を明らかにした。 2.STE-希土類アクセプタ間のエネルギー移動によるホスト増感とダイナミクスの解析 Gd^<3+>ドープLSPおよびLSBで、Gd^<3+>濃度増加に伴うSTE発光強度の減少と、Gd^<3+>の^6P_J→^8S_<7/2>(311nm)の発光の増加から、STEからGd^<3+>へのエネルギー移動によるホスト増感を明らかにした。同様にGd^<3+>添加LZFおよびEu^<3+>添加LZFでCT(STE)からGd^<3+>/Eu^<3+>へのエネルギー移動およびGd^<3+>/Eu^<3+>共添加LZFでCT(STE)→Gd^<3+>→Eu^<3+>への2ステップエネルギー移動を確認した。また真空紫外157nm励起での時間分解スペクトルからLSP、LSB、LZFのSTE(またはCT)のダイナミクスを解析した。STE(CT)発光減衰寿命のGd^<3+>/Eu^<3+>濃度変化を解析し、STEからGd^<3+>/Eu^<3+>へのエネルギー移動を実証した。またエネルギー移動速度速度を、実測した減衰寿命の変化から2準位系モデルを仮定して計算して求めた。加えて、Gd^<3+>添加結晶の双極子-双極子相互作用を仮定したエネルギー移動速度を計算と、実験値との比較を行った結果、LSPにおけるSTE-Gd^<3+>エネルギー移動では、STEは格子中で動くあるいは交換相互作用の寄与が大きいこという知見を得た。一方、LSBにおけるSTE-Gd^<3+>のエネルギー移動とLZFにおけるSTE-Gd^<3+>とGd^<3+>-Eu^<3+>エネルギー移動機構は双極子-双極子相互作用によることを明らかにした。 3.真空紫外励起量子カッティングGdPO_4:Tb^<3+>、Sr_3Gd(PO_4)3:Tb^<3+>およびNa_2GdF_2PO_4:Re(Re=Eu^<3+> and Tb^<3+>)において、真空紫外域のホスト励起による2光子発光を見出し、希土類イオン濃度依存を明らかにした。また量子カッティングのエネルギー移動過程を推定した。
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Research Products
(4 results)