2010 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外光励起での励起子によるホスト増感とダイナミクスおよび白色蛍光体の創製
Project/Area Number |
21360315
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小玉 展宏 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (90282152)
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Keywords | 真空紫外 / 励起子 / エネルギー移 / 蛍光体 / ダイナミクス / 分光 / 増感 |
Research Abstract |
本年度も、STE(自己束縛励起子)が生成する結晶を探索するとともに、STE-アクセプタへのエネルギー移動のダイナミクスと温度依存およびホスト増感のメカニズムを解析し以下の成果を得た。 1.ホスト励起発光材料の探索と分光評価による発光中心の解明 3種の構造の異なるオルト、ピロ、メタリン酸塩の真空紫外励起によるホスト発光を調べ、3つのオルトリン酸塩Li_3Sc_2(PO_4)_3(LSP)、K_3Sc_2(PO_4)_3(KSP)、K_2CsSc(PO_4)_3(KCSP)で、STEに帰属されるブロードな発光を示し、LSPが最短波長となることを見出した。また、Li_7La_3Zr_2O_<12>(LLZ)、LaZr_2F_<11>(LZF)で異なる励起波長によるホスト励起によりブロードな発光を示し、O-Zr,O-La(Li),O-Euの3種のCT(電荷移動)バンドに帰属されることを明らかにした。 2.STE-希土類アクセプタ間のエネルギー移動およびダイナミクスの解析と温度依存: Gd^<3+>添加LSP,KSP,KCSP結晶を合成し、Gd:LSPでGd^<3+>添加によりSTEの発光が減少し、STE→Gd^<3+>へのエネルギー移動が起こっていることを見出した。一方、Gd:KSP,KCSPでは生じない。また真空紫励起での時間分解スペクトルからSTE(またはCT)のダイナミクスのGd^<3++>濃度変化を解析し、STEからGd^3へのエネルギー移動を実証した。加えて、エネルギー移動速度を、2準位系モデルで計算して求めた。実験値との比較を行った結果、LSPではSTE-Gd^<3+>エネルギー移動は双極子-双極子相互作用が支配的で、STEの移動あるいは交換相互作用の寄与もあることを明らかにした。LSPの室温~極低温の分光温度依存から、155Kで構造相転移が生じると考えられること及び構造変化に伴う2つのSTEが存在、エネルギー移動はフォノンアシストの寄与が考えられることを見出した。LLZとLLFの極低温までの温度依存より、LLZでは100K以下、LLFで50K以下でCTに加えSTEが生成することを明らかにした。 3.真空紫外励起量子カッティングGdPO_4:Tb^<3+>、Sr_3Gd(PO_4)_3:Tb^<3+>およびNa_2GdF_2PO_4:Re(Re=Eu^<3+>and Tb^<3+>)で、真空紫外域のホスト励起による量子カッティングを見出すとともにエネルギー移動過程を推定した。 4.フェムト秒レーザーレーザーアブレーションにより、Ti:Al_2O_3およびホウ酸ガラス表面に自己組織化による波長以下のナノグレーティングあるいは2次元ナノーホールアレイの形成に成功し、フォトニック結晶作製の可能性を見出した。
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Research Products
(5 results)