2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360319
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (80233956)
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Keywords | 層状酸化物 / 単結晶薄膜 / 固相結晶化 / ガラス基板 / 大面積デバイス |
Research Abstract |
室温で作製したアモルファスInGaO_3(ZnO)_m薄膜において、ガラス上で結晶化温度(T_<crys>)を下げられる条件を調べ、以下の結果を得た。 1.パルスレーザー堆積(PLD)法によりmを変えた薄膜を作製し、T_<crys>と結晶組成の関係を調べた。その結果、室温製膜時に結晶成長する境界組成であるm=4では、酸素分圧P_<O2>=1Paで製膜した場合の結晶化温度はT_<crys>=600℃であるが、P_<O2>=10^<-3>Paでは400℃以下まで低下した。 2.さらにZnOテンプレート層を用いることに、T_<crys>=275℃まで低下した。 しかしながら、この場合の結晶相はm=3およびGa_20_3の混合相であった。 3.単相の結晶相を得るためにはm=1が最良であることを確かめた。この場合、T_<crys>=600℃であったが、ZnOテンプレート層を使うことで350℃まで低下した。 4.以上の条件から、ブリッジマン炉を用いて大粒径結晶薄膜の作製を試みた。結晶化には成功したものの、ZnO,Bi_2O_3テンプレート層などを用い、また、基板・薄膜形状の工夫をした範囲では、100nm程度の粒径しか得られておらず、今後、大粒径化の検討を進めていく必要がある。 5.結晶化挙動を詳細に調べるため、高温で光学物性、膜厚、結晶化率を精確に測定できる装置を組み上げた。 6.予備実験として、RFスパッタリング法により作製したm=1薄膜のex situ結晶化実験を進めている。結晶化温度がPLD法より高いことが示唆されており、その原因を検討中である。
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