2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360320
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 哲司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90221647)
|
Keywords | イオン交換 / ガラス / リソグラフィ |
Research Abstract |
前年度までに決定したナノイオン交換法に適した温度特性および電気伝導特性を有するソーダアルミノボロシリケートガラスのガラス基板を作製し、この基板材料に銀イオンを含む層をコアとした埋め込み型光導波路を形成した。このとき、表面のクラッド層の厚みを0.58μmとなるように制御したが、この際、従来法とは異なりアルカリイオンを全く含まない均質なクラッド層の形成方法を新たに開発した。この方法の開発により、AFM尖端を常に尖鋭な状態に保つことが保障され、より精細なナノメートルオーダーのイオン交換リソグラフィを実現できると期待できる。この光導波路の表面クラッド層に対して、導電性加工を施したAFMを電極としてナノイオン交換リソグラフィ処理により直径20および5μmの真円弧の作製を行った。ナノイオン交換リソグラフィにより形成された円弧は光学顕微鏡により明瞭に確認され、円弧の線幅は500nm以下となっていることが確認された。このことは、従来までの手法に比べて細い細線の形成が可能になったことを示し、新規に開発したアルカリイオンを含まないクラッド層の形成法がリソグラフィの高精細化に効果的に働いたことを裏付けた。以上の成果により、光の波長よりも小さな構造体の作製が原理及び実際上も可能であることを実証され、ナノ構造体の形成による微細パターンを描くナノイオン交換リソグラフィの実現を実証することができた。
|