2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360320
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 哲司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90221647)
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Keywords | イオン交換 / ガラス / リソグラフィ / Ag細線 |
Research Abstract |
本研究は、申請者が新しく開発したナノイオン交換リソグラフィ法を技術として確立し、ガラスを中心とした透明材料の内部および表面にナノメートルレベルの構造体を構築し、近接場光を中心とした光素子の作製方法に関する調査とその応用について明らかにするために行われた。具体的には、高精度のピエゾステージを用いて、導電性AFMプローブチップを高温にある試料表面上でコンピュータ制御により走査することを可能とし、ナノイオン交換過程での電圧や電流等のリソグラフィ条件と作製される構造体との関係を明らかにすること、また作製された構造体のキャラクタリゼーションを行った。まず、ナノメーターレベルの微細構造の構築を可能とするためのガラスの複層構造の作製に必要な条件を明らかにし、適切な溶融塩を用いることでナノレベルの微細な加工を持続させることが可能となることを示した。また、ピエゾ素子のコンピュータ制御により、設計通りのカンチレバー走査を実現でき、イオン交換過程での電流変化と構築される構造体の関係を考察した。ガラス表面への微細なAg細線の作製では、これまで0.8μm程度の微細なものしか作製できなかったが、最小線幅270nmと約1/3の微細化を達成した。作製されたAg細線のキャラクタリゼーションから、金属細線のプラズモニクス素子への応用に際しては細線の成長挙動の理解と制御、細線の導電性の制御が重要であり、素子の高度化をはかる上で更なる研究が必要であることがわかった。
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