2009 Fiscal Year Annual Research Report
グレインエンジニアリングによるニオブ系無鉛圧電セラミックスの高性能化
Project/Area Number |
21360323
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (40335089)
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Keywords | 環境材料 / セラミックス / 電子・電気材料 / 誘電体物性 / 圧電体 |
Research Abstract |
電圧を加えると機械的に動く圧電セラミックスは、プリンターのインクジェット部品、超音波振動子など各種電子部品として用いられているが、その多くは鉛含有素材である。そこで、無鉛化研究が鋭意進められているが、性能向上とその耐久性に因難が常につきまとい、その研究開発が難航している。そこで、本研究ではニオブ系無鉛圧電セラミックスの物性増強を図ることを目的として、高性能化が容易となる無鉛圧電セラミックスの新材料設計指針の構築と実践を開始した。本年度は、分子レベルの組成混合性に優れた独自開発のクエン酸塩前駆体法を(Li, Na, K)NbO_3系無鉛組成物の合成に適用し、水中電離度が大きく異なる複数のアルカリイオン共存下においても、セラミックス組成物の精密組成制御が可能となる条件を見いだし、優れた易焼結性と圧電特性を示すセラミックス合成に成功した。また、単結晶材料との比較によって、セラミックスの電気特性に寄与する強誘電性ドメイン構造、欠陥構造、および内部応力の役割を調べ、圧電特性の性能向上と耐久性に関する知見と改善の方策を得た。さらに、前駆体溶液法の改良によって(Li, Na, K)NbO_3系薄膜の精密合成と方位制御に成功し、その粒子サイズおよび基板拘束応力による電気特性への寄与も明らかにした。総じて、単結晶および薄膜材料との比較をしつつ、ニオブ系無鉛圧電セラミックスの物性起源の本質解明に繋がる重要成果を得た。
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Research Products
(37 results)