2010 Fiscal Year Annual Research Report
グレインエンジニアリングによるニオブ系無鉛圧電セラミックスの高性能化
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21360323
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40335089)
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Keywords | 環境材料 / セラミックス / 電子・電気材料 / 誘電体物性 / 圧電体 |
Research Abstract |
電圧を加えると機械的に動く圧電セラミックスは、プリンターのインクジェット部品、超音波振動子など各種電子部品として用いられているが、その多くは鉛含有素材である。そこで、無鉛化研究が鋭意進められているが、性能向上とその耐久性に困難が常につきまとい、その研究開発が難航している。そこで、本研究ではニオブ系無鉛圧電セラミックスの物牲増強を図ることを目的として、高性能化が容易となる無鉛圧電セラミックスの新材料設計指針の構築と実践を開始した。 本年度は、ニオブ系セラミックスの電気伝導を調べ、その温度依存性から電気伝導性を評価した。直流電気伝導測定の結果、セラミックスの導電キャリアは熱活性なArrhenius型であり、実測される高温電気伝導がアルカリ欠損と同時生成する酸素欠陥の移動過程によるものであることを明らかとした。さらに粒界体積が異なるセラミックスの直流電気伝導を比較した場合、粒界体積が大きなセラミックスでは、高温領域において活性化エネルギーが暫時変化することを見いだした。更に交流インピーダンス測定法を用いた比較評価の結果、粒界組織中の酸素欠陥移動が特に電気伝導特性を支配していることを明らかとした。 この結果に基づいて、結晶粒子内部の応力印加状態を損なわず、粒子界面における電荷補償策も施した新組織、すなわち、粒子内部および界面双方が機能強化(グレインエンジニアリング)され、圧電物性と電気的耐久性が飛躍的に向上した無鉛圧電セラミックスを作製した。
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Research Products
(48 results)