2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ細孔3次元チャネルネットワークを持つ革新的ゼオライト膜の合成と界面構造
Project/Area Number |
21360324
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中平 敦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野木 伯薫 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90375147)
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Keywords | ゼオライト / ミクロ細孔 / 微細構 / A型ゼオライト / 多孔体 / 緻密化 |
Research Abstract |
種々のA型ゼオライトを原料にして改良型水熱処理法プロセスによる緻密化の条件を検討したる。特に、ミクロンサイズのA型ゼオライトを粉砕プロセスによりサブミクロンの粒径を持つA型ゼオライトを合成した。その各種粒径のA型ゼオライトの構造をXRD、TEMおよびX線吸収法などにより評価を進めた。これらの各種A型ゼオライトを用いて改良型水熱法による緻密化プロセズの確立に向け、改良型水熱法の温度、圧力、時間、溶媒の種類、溶媒量などの合成条件の検討を詳細に行うため、多様な条件で水熱合成実験を行うことができた。 具体的には最初は市販のゼオライトを用いるが、先ず各種A型ゼオライト原料のゼオライトのキャラクタリゼーションを行う。市販の各種ゼオライト粉末を用い、改良水熱処理装置を用いてゼオライトの緻密化を試みた。試薬NaOH溶液あるいは脱イオン水を加え、110~250℃の温度で水熱条件を実現しながら5MPa~60MPaの加圧下で保持し、合成条件としては各水熱処理条件のパラメーターなどの合成条件を種々に変え、ゼオライトの改良水熱処理を行った。これにより改良水熱処理によりゼオライト焼結体の緻密体ならびに多孔体を多条件下にて合成できた。 次いで、CO2ガス分離に適した構造・組成を持つA型ナノゼオライトを自ら水熱合成し、それら粉末の評価を行った。得られた各種ゼオライト試料について、XRD、FT-IR、XAFS、ラマン分光評価を進めた。さらに緻密ゼオライトの原子レベルの構造評価を走査型電子顕微鏡(SEM)並びに透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察を行い、あわせて緻密ゼオライトの粒界構造を透過型電子顕微鏡HRTEMにて詳細に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販のゼオライトによる予備実験の後、さらに自ら合成したゼオライトを原料としても実験を行い当初の予定通り、改良水熱処理装置を用いてゼオライトの緻密化に成功し、それらの構造評価が順調に進展しているので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
緻密ゼオライトバルクの物性と緻密膜の構造組織との関係を中心に評価し、改良型水熱法の合成パラメーターとの相関を解明する。更に種々の条件で成膜したゼオライト膜について、種々の温度、湿度の元でCO2透過能・分離能の評価実験を試みる。これらの実験結果より更に高いCO2分離能を持つ構造を得るための合成プロセス開発を進め、本研究の総括を進める。
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