2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360335
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30250715)
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Keywords | 混同導電体 / 酸素透過特性 / ペロブスカイト型酸化物 |
Research Abstract |
炭化水素の部分酸化反応は空気中からの酸素分離のみならず、適切な熱量を供給することで二酸化炭素の分解反応を駆動しうる。本研究では、この1)二酸化炭素回生に対応できる新規酸素透過膜材料の開発、2)薄膜型構造による酸素透過速度の向上、3)二酸化炭素回生システムの効率解析を目的としている。今年度は、耐還元性に優れる酸素透過膜の開発として、SrTi_<1-x>Fe_xO_<3-δ> (x=01~0.5)をほぼ単相の緻密膜として作製し、その相安定性と酸素透過速度が明らかにした。相安定性に関しては、酸素分圧が約10^<-17>atm以下の領域ではFe^<2+>への還元挙動が認められたが、XRDの結果からは相分解を示唆する変化は認められず、本系材料は耐還元性に優れた酸素透過膜材料と位置づけられた。酸素透過における表面交換反応律速を緩和するためには、Co触媒の塗布が有効であり、本研究で得られた最高の酸素透過速度は、SrTi_<0.6>Fe_<0.4>O_<3-δ>の6.69×10^<-8>mol・cm^<-2>・s^<-1> (975℃)であった。また、薄膜型酸素透過膜の作製に関しては、Pr_<0.7>Sr_<0.3>Fe_<0.8>Al_<0.2>O_<3-δ>なる酸素透過膜をYSZ基板上にパルスレーザー蒸着法により成膜し、その混合導電性について複素インピーダンス解析を実施した。この膜は、900℃においてArea Specific Resistanceが0.37Ω、その活性化エネルギーは1.6eVとなり、既報の混合導電性ペロブスカイト型酸化物と同等の特性を示した。
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