2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子構造によるシリコン熱電変換特性の超高効率化と測定技術の開発
Project/Area Number |
21360336
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池田 浩也 Shizuoka University, 電子工学研究所, 准教授 (00262882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 明広 静岡大学, 工学部, 教授 (70183738)
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Keywords | 熱電変換材料 / シリコンナノ構造 / ゼーベック係数 / SOI基板 / KFM(表面電位顕微鏡) |
Research Abstract |
本研究は,ナノ構造の導入によりシリコン系熱電変換材料の性能指数を向上するとともに,ナノスケール材料を評価するための新しい手法の確立を目指している.本年度得られた主な成果を以下に示す. (1)KFMによる熱起電力の測定 KFM(表面電位顕微鏡)によりバルクシリコンのゼーベック係数を評価したところ,従来の手法とほぼ同じ値が得られている.さらに,測定精度の向上に向けて,試料ホルダの改良を行った.現在,標準試料を用いて,KFM測定における測定値の精度・再現性・解析手法の確認を行っている. (2)極薄シリコン層の熱電特性評価 10^<19>cm^<-3>以上のリン原子をドープした極薄SOI基板のゼーベック係数を測定したところ,5×10^<19>cm^<-3>付近にピークを持つことを見出した.不純物ドーピングに伴う不純物バンドの形成,イオン化エネルギーの低下,伝導帯のバンドテイリングを考慮してバルクシリコンの状態密度を計算したところ,フェルミエネルギー近傍での状態密度の傾きが,高濃度領域でピークを持つことがわかった.この結果は,高濃度ドーピングによりシリコンが金属的になり,ゼーベック係数が状態密度分布に強く支配されることを示す.
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