2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代EMC及び高機能アンテナの実現を目指した左手系複合材料の研究
Project/Area Number |
21360340
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
蔦岡 孝則 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10231432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 信吉 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30240873)
|
Keywords | 左手系材料 / 負の透磁率・誘電率 / 電波吸収体 / 電磁遮へい材 / EMC / アンテナ材料 |
Research Abstract |
本年度は,EMC技術及びマイクロ波アンテナ用左手系材料の基礎検討として以下の通り実施した。 1.サブミクロンNi粒子の形状,粒径分布等をSEMを用いて評価し複合材料の内部構造と透磁率・誘電率スペクトルとの関連について検討を行った。(オートファインコーターを導入) 2.サブミクロンNi複合材料の透磁率スペクトルに対する外部磁場の効果について検討した。その結果,Niスピンの強磁性共鳴により,マイクロ波領域(2~15GHz)において磁場下で負の透磁率が増強されることを見いだした。 3.金属短繊維配列複合構造体において,等方的な電磁遮へい特性を得ることを目的として,繊維の配列方向を変えたシートを多層化した複合構造体について検討し遮へい特性が擬等方性を示すことが明らかとなった。 4.磁性材料の負性透磁率を利用してアンテナのリアクタンスを相殺し,アンテナの共振周波数を低下させてマイクロ波アンテナを小型化するための基礎検討として,パーマロイ複合材,YIG焼結体を用いたアンテナのインピーダンス特性制御について検討した。その結果,磁場下で比較的大きな負性透磁率を示すYIG焼結体において負の透磁率によるインピーダンス変化を確認したが,パーマロイ複合材では,負性透磁率の値が小さいため十分なインピーダンス変化は得られなかった。 5.ナノ粒子を合成するための基礎検討として,酸化鉄等の熱分解挙動を検討した。
|