2011 Fiscal Year Annual Research Report
優れた発熱能と生体適合性を有する磁性材料の開発と作製法の確立
Project/Area Number |
21360341
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
青野 宏通 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (00184052)
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Keywords | 交流磁場 / 焼灼療法 / 磁性材料 / 発熱 / Y_3Fe_5O_<12> / ビーズミル粉砕 / 癌治療 / 逆共沈法 |
Research Abstract |
本申請研究は、研究期間内において交流磁場中で著しく発熱する磁性材料の開発指針を、材料工学的な立場から明確にし、候補材料の選定、作製方法の確立、生体適合性の確認など、この交流磁場焼灼法への実用化のために必要な基礎的物性の研究を行うものである。 これまでにR_3Fe_5O_<12>(Rは希土類元素)のR=Yについて、きわめて優れた発熱能力を発見してきていることより、他の希土類元素(R=R=Y,Sm,Gd,Dy,Ho,Er)についても試みたところ、やはりR=Yが最も優れていることが明らかになった。このY_3Fe_5O_<12>について逆共沈法による前駆体を低温焼成することにより合成を試みた。その結果、900℃以下では100nm以下の斜方晶となり超常磁性のNeel緩和による発熱がみられ、それより高温では立方晶のフェリ磁性体となることがわかった。さらに発熱機構を明確にするために、逆共沈法の高温焼成により得られたフェリ磁性体とビーズミル粉砕によりナノ微粒子化した超常磁性体を作製し、それぞれ磁場強度の3乗および2乗に発熱能力が比例することを明らかにした。また、双方とも周波数に比例することから、磁場強度と周波数により発熱能力を決定でき、これを利用して材料の発熱制御が可能となった。塞栓用球状材料の作製法については、ビーズミル粉砕によりフェライトを微細化し、その懸濁液を試料として、ノズルから粉霧した液滴をチャンバ中で乾燥・球状化する方法を昨年までは行なっていたが、フェリ磁性体と超常磁性体を混合することにより、高磁場中での発熱能力を高める試みを行なった。現在、最適条件を検討中である。
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[Presentation] 希土類鉄ガーネット系R_3Fe_5O_<12>(R=Y,Sm,Gd,Dy,Ho,Er)粉末の交流磁場中における発熱特性2012
Author(s)
田村, 青野, 猶原, 前原, 渡部, 平澤
Organizer
日本セラミックス協会年会
Place of Presentation
京都大学
Year and Date
2012-03-19
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