2009 Fiscal Year Annual Research Report
超顕微法によるNdFeB磁石材料の最適粒界構造の探索と制御
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21360342
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
板倉 賢 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (20203078)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 範之 九州大学, 産学連携センター, 教授 (50038022)
西田 稔 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (90183540)
中野 正基 長崎大学, 工学部, 准教授 (20274623)
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| Keywords | ネオジム磁石 / 焼結磁石 / パルスレーザー蒸着薄膜 / 透過電子顕微鏡 / 集束イオンビーム加工 / EDS組成分析 / 保磁力 / 粒界構造 |
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| Research Abstract |
まず、Tb改質処理により高保磁力化させたNd-Fe-B系焼結磁石について、カー効果偏光顕微鏡(MOKE)観察を行って優れた保磁力を有する単磁区粒子を選定し、その粒界部を集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング法で切り出して透過電子顕微鏡(TEM)観察を行った。Nd_2Fe_<14>B主相同士ならびにNdO粒界相との粒界にNd-Cu-Tb極薄界面層の存在が確認でき、マクロな磁区構造とナノレベルの微細構造を直接結びつけた解析手法を確立した。
続いて、保磁力に及ぼす重希土類元素の影響を調べるために、Dyを全く含まない試料を用意してTEM解析を行った。Nd_2Fe_<14>B主相の三重点にCaF_2構造のNdO_2相、NaCl構造のNdO相およびhcp構造のNd_2O_3相の生成が観察され、さらにNd-Cu極薄界面層が形成されていることが確認できた。この結果は、Tb改質処理を施すことで、Nd_2Fe_<14>B主相結晶粒の表面近傍のみへの選択的なTb粒界拡散が生じ、それに伴って保磁力が大きく向上することを示唆している。
GaあるいはNb元素の添加により高保磁力化させたパルスレーザー蒸着(PLD)成膜Nd-Fe-B系厚膜磁石についてもTEM解析を行った。Nb添加試料では、Nd_2Fe<14>B主相結晶粒が大幅に微細化(40nm程度)され、粒度分布も狭く均一粒になることがわかった。Nbは粒界に偏在し、これがNd_2Fe_<14>B粒の粗大化を抑制して保磁力を向上させたものと推察できる。Ga添加の場合には、各々のNd_2Fe_<14>B結晶粒の周囲に幅3nm程の薄いNd-Ga粒界層が形成されていることを見出した。この薄いNd-Ga粒界層が主相粒周囲を滑らかに覆うことで粒界パッシベーションが改善されて高保磁力化したものと結論できる。
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