2010 Fiscal Year Annual Research Report
階層的微視組織のマイクロ材料試験とマルチスケール材料設計への展開
Project/Area Number |
21360343
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高島 和希 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60163193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 雅亮 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20304032)
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Keywords | マイクロ材料試験 / 機械的性質 / 引張試験 / 破壊靭性 / マルチスケール / 材料設計 |
Research Abstract |
金属材料の機械的性質は、微視組織要素の特性に支配されている。したがって、強度、靭性、信頼性に優れる材料を開発するためには、材料を構成している各微視組織要素の機械的性質を計測し、それに基づいて材料組織の階層的な設計をマルチスケール的に行うことが重要となる。本研究では、金属材料を構成する微視組織の機械的性質を評価するため、(1)材料中の階層的な構成組織要素の中で、目的とする微小領域からミクロンサイズの超微小試験片を切り出して、その機械的性質を評価する試験法を開発する。また、(2)開発した手法を用いて、複相合金の構成組織ならびに相界面の機械的性質(主として強度)を明らかにし、これとバルク材の強度を比較することによって、強度に及ぼす試験片寸法の影響を調べ、これらの結果を統合してマルチスケール的な強度設計の指針を確立させる。平成22年度は、上記(2)について研究を進めた。試料には、ラメラ構造を有するTiAl基合金、Mg-Zn-Y合金、複相鋼飯を用い、各試料の構成組織からミクロンサイズの試験片を切り出して引張試験を行い、その変形挙動ならびに強度計測した。その結果、TiAl合金については、ラメラと平行及び垂直方向の強度と変形挙動の関係を明らかにした。Mg合金については、LPSO単相の試験片を切り出し、その機械的性質を明らかにした。さらに、複層鋼板については、硬質層、軟質層の界面から試験片を切り出し、界面の機械的性質を明らかにするとともに、複層鋼板の延性発現機構について検討した。以上の成果は、マルチスケール概念に基づいた材料の強化設計にきわめて有用なものである。
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Research Products
(5 results)