2011 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット増感型次世代超高効率太陽電池用材料の創製
Project/Area Number |
21360346
|
Research Institution | 公益財団法人電磁材料研究所 |
Principal Investigator |
阿部 世嗣 公益財団法人電磁材料研究所, 研究開発事業部・光材料グループ, 主席研究員 (20202666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 正人 (独)物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 主席研究員 (90354208)
|
Keywords | 複合造薄膜 / 半導体 / 酸化物 / 量子サイズ効果 / 太陽電池 / 物理成膜 / ナノ粒子 / 無機 |
Research Abstract |
本年度は,生成熱分離型および非固溶体型の材料設計により合成された,半導体/マトリクス複合構造薄膜について微細構造および光電評価を行った.先の研究において,ホットウォールデポジション法により作製されたPbSe/ZnSe薄膜は,PbSeナノ粒子がZnSeマトリクス中に孤立分散していることを微細構造観察により明らかにしている.そこで,本年度はp型Si基板上に当該薄膜を作製し,詳細な光電的評価を行った.その結果,300-1100nmにおいて測定された光電流スペクトルはブロードな形状を有し,PbSe/ZnSe層およびSi基板からの寄与が示唆された.また,膜中のPbSe濃度の減少と共に光感度は可視光領域に拡張する傾向を示した.また,高周波スパッタリング法により作製されたNb-Ge-O薄膜は可視光吸収性を発現し,かつ,当該用途に好適なNb_2O_5が形成されることを先の研究において明らかにしている.そこで当該薄膜のHAADF-STEM(高角度散乱暗視野走査型透過電子顕微鏡)観察およびナノスケールEDS(エネルギー分散型X線分光)マッピングを行い,微細構造の検討を行った.その結果,Geナノ粒子がNb酸化物中に孤立分散していることが明らかになり,当該薄膜が発現する可視光吸収性は,Geナノ粒子の量子サイズ効果により発現していると考えられる.さらに,電極材料として,可視光領域に光吸収端を有するヘマタイト(α-Fe_2O_3)などの鉄酸化物相が,添加元素の酸化に要する自由エネルギー値に応じて相転移することを明らかにした.したがって,太陽電池の低コスト化に寄与する極めて簡便な複合構造薄膜作製法として,独自のワンステップ物理合成法を確立した.
|
Research Products
(8 results)