2011 Fiscal Year Annual Research Report
空間偏光制御したファイバーレーザーによる高効率・高精度レーザー加工
Project/Area Number |
21360352
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
|
Keywords | レーザー / 偏光 / 加工 |
Research Abstract |
本研究では、強度だけでなく偏光も空間異方性を持つレーザービームによる、全く新しいレーザー加工法の開発を目指す。そのため、本研究者らが開発を進めてきた円筒対称性を持たせた偏光制御技術を適用し、高い出力と高いビーム品質を同時に実現できる空間強度・偏光制御した新規加工用レーザー光源の開発を進めることを目的としている。そのためには、十分な性能を有する光源の開発が不可欠であり、高品質な種光を光ファイバー増幅器によって増幅し、加工に十分な出力のベクトルビームを得ることを試みた。その結果、種光として約500mWの出力が得られたものの、目標とする1W程度には届かなかった。この原因は種光として全体の大きさをできるだけコンパクトにするように設計をしたため、熱除去が十分でなく、熱レンズ効果によってベクトルビームの発振が抑制されたためであると判明した。そこで、熱を効率よく除去できることが知られている薄板レーザーを用いることを試みた。半導体レーザーからの励起光を光ファイバーで薄板レーザーに導いたところ、レーザー発振が確認された。出力は20W以上であり、目標としていた10Wを超える出力を得ることができた。出力光のビーム品質因子(M2)は、理論値である2とほぼ同じであり、高品質なベクトルビーム(径および方位偏光)の発生が確認できた。使用した薄板レーザーは、本来はガウスビーム型のレーザービームの発振をするものであるが、本研究で得られるドーナツ型のビームに対してもほぼ同等のスロープ効率が得られている。
|
Research Products
(9 results)