2011 Fiscal Year Annual Research Report
SPS法と熱間押出しとの先駆的複合プロセスによる先進CNT/Al複合材料の作製
Project/Area Number |
21360353
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
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Keywords | 粉末治金 / カーボンナノチューブ / 均一分散 / 界面制御 / Al/CNT複合材料 |
Research Abstract |
本年度が最終年度であり、下記目的をまとめることに重点をおいて実施した。 本研究は、まずCNTを一度ラバー(天然ゴム)中に均一混合させた後に、粒径の揃った(単分散)アルミニウム(Al)粉末を加え、均一混合粉末の作製を試みる。次に、新しい試みとして、その混合粉末をパルス通電焼結により予備焼結し、さらに熱間押出しすることによってCNTが均一に分散したち密なCNT/Al複合材料を作製することを目的としている。固相焼結であるにもかかわらず、焼結の際に微量のアルミニウム液相が出現する可能性があり、これがCNTとAlマトリックスの界面制御に有効であることを示し、また、単分散粒子を用いることでマイクロバニカム的な組織構造となり、アルミニウム粒界にCNTが押出し方向に配向分散した均一微細等サイズ組織となることを明らかにする。このような先駆的複合プロセスを提案することにより、機械的性質や物理的性質を学術的に議論し得るCNT/Al複合材料の作製を目指している。 FE-SEM中で1本のCNTをAlマトリックスから引抜くIn-Situ引抜き試験を試み、その引抜き抵抗とTEM観察を併用してCNTとAlマトリックス界面状態を考察し、本複合プロセスにおける界面制御の可能性を明らかにすることを試みたが、アルミナマトリックスを用いることとした。 ち密な微細ハニカム的組織構造やCNTとアルミニウムマトリックス界面制御の可能性を示すことにより、CNT本来の機能特性を利用し得るかどうか、すなわち、CNTの複合化によって理論的に予想される強度にどの程度まで近づけるかを考察した。 1vol%CNT/Al複合材料では、200Mpaに近い強度が得られ、Kelly-Tyson式から予想される強度に近づいたことから、CNT本来の強度を引き出せたと考えられる。
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