2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子のレーザー励起による高速加熱の物理過程解明と微細配線レーザー直接描画
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21360354
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40182901)
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Keywords | ナノプロセス / レーザー微細配線描画 |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ粒子のプラズモン吸収帯のレーザー光励起によるナノ粒子近傍の局所的な高速加熱現象(金属ナノ粒子のナノヒーター効果)の物理過程を明らかにすることを目的として、レーザー光照射による金属ナノ粒子の金属連続相化過程に関して、レーザー光照射条件等を検討した。金属ナノ粒子のシンタリングおいては、レーザーパルス幅の影響が顕著に観測された。フェムト秒パルスレーザーを用いた場合には、レーザー光吸収による金属ナノ粒子の溶融と連続相形成に加えて、レーザーアブレーションが顕著に観測された。これはナノ秒パルスレーザーを光源とした場合にも、同様であった。均一な金属連続相形成のためには、連続発振レーザーが有効でることが示された。パルスレーザー光源を用いた場合には、金属ナノ粒子のアブレーションとシンタリング現象を組み合わせることによって、3次元的な金属微小構造体を形成できる可能性が示された。金ナノ粒子インクの用途としては、レーザー描画による微細配線に加えて、Cu基板材料の部分金メッキ用途の応用が期待されている。しかし通常の電気炉加熱では、Au層表面へのCu原子の拡散が起こることが問題となっている。その解決法としては、金属ナノ粒子へのレーザー光照射による短時間でのシンタリング法が有効であると考えられる。そこで、Cu微細パターン上のAu金属ナノ粒子分散膜へのレーザー光照射による金属化過程について、照射するレーザーのパルス幅や入射レーザー光エネルギーの影響を調べた。通常の電気炉加熱およびレーザー光照射で得たAuナノ粒子シンタリング膜中のCu拡散挙動を、SIMSやXPSによるAu膜中の深さ方向のCu分布から観測したところ、レーザー光照射によってAu膜中のCu拡散を顕著に低減できることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)