2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子のレーザー励起による高速加熱の物理過程解明と微細配線レーザー直接描画
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21360354
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40182901)
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Keywords | ナノプロセス / レーザー微細配線描画 |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ粒子のプラズモン吸収帯のレーザー光励起によるナノ粒子近傍の局所的な高速加熱現象の解明を目的として、レーザー光照射による金属ナノ粒子の金属連続相化過程に関して、レーザー光照射条件等を検討した。レーザー光源としては,CW(連続波レーザー(457nm,532nm,1064nm),高繰り返しピコ秒パルスレーザー(87ps,1064nm、100kHz),フェムト秒パルスレーザー(100fs,800nm,80MHz)を用い,金属ナノ粒子としては有機基で修飾されたAg,Au,Cuナノ粒子を用いてスピンコート法によって基板上に薄膜を製膜しサンプルとて用いた。このような金属ナノ粒子分散膜においては金属ナノ粒子相とそれを取り巻く有機修飾基相があり,レーザー光は金属ナノ粒子のプラズモン吸収によって吸収され熱エネルギーに変換され有機相の効果的な熱分解が起こることが観測された。CWレーザー照射においては,レーザーシンタリング(焼成)により金属ナノ粒子の金属連続相化は効果的に起こるものの,有機相の炭化によって生じたアモルファスカーボンの残存が顕微ラマンスペクトルにより観察された。パルス尖頭値パワーの高いピコ秒レーザーの場合には,レーザーシンタリングに加えて有機相のレーザーアブレーション(爆蝕)が起こり,カーボン相の効果的な除去が可能であった。さらにレーザーパルス幅の短いフェムト秒レーザーの場合には,レーザーアブレーションが支配的となり,レーザー照射域の中心部にダメージが生じた不均一な金属表面の形成が観察された。このようなレーザー光照射による物質変換は,金属ナノ粒子以外にも,PZTやBT等の金属酸化物系,さらにはSiやGe等の半導体ナノ粒子系にも適用が可能であることが確認され,これらの材料系においてもレーザー直接描画法による微細パターンの直接描画を行うことができた。
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Research Products
(6 results)