2011 Fiscal Year Annual Research Report
クライオプラズマの創製とその材料加工プロセスへの応用
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21360356
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺嶋 和夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30176911)
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Keywords | クライオプラズマ / 極低温 / 材料プロセシング / プラズマ加工 |
Research Abstract |
(1)クライオプラズマの創製とプラズマ診断 Ar,N2,Airなどを用いたリライオプラズマ(誘電体バリア放電プラズマ、ナノパルス放電プラズマ)の生成とその発光分光などのプラズマ診断を行った。とりわけ、Heの大気圧誘電体バリア放電プラズマに関して、極低温(5K)から室温(300K)にいたる連続的な温度領域でのプラズマの発生電子密度、温度の測定とその変化の物理的な評価が初めて達成できた。とりわけ、20K以下での原子間力の変化に起因したHe2クラスタの生成とそれに伴う発光特性の変化が見出せた。その他、また、自己組織化の温度変化を統一的に観測すると共に、その発光特性を時間分解モードで観測し、複数の異なる構造を持つ組織化現象の発見、それに加えて、組織化されたプラズマ構造の欠陥構造や動的挙動を見出した。また、計算機シミュレーションでその生成のメカニズムに関する知見を得た。 (2)材料加工プロセスへの応用 低誘電率材料であるナノポーラス材料、あるいは、有機材料の材料加工技術(表面改質、表面エッチング、アッシング)への応用を図った。各種のプロセス条件(ガス温度、入力、ガス流速など)について、それぞれのプロセス状態の分析、合成物質の同定を行いその相互関係を明らかにした。例えば、ポーラス物質(Si系低誘電体材料)の低損傷プラズマプロセスの研究では、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、赤外吸収分光、などにより、クライオプラズマ(ガス温度200K程度まで)の使用により材料加工プロセス(表面改質、表面エッチング、アッシング)におけるプラズマ損傷が劇的に低下することが実証された。今後の産業応用への適用が大いに期待される結果である。
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Research Products
(6 results)