Research Abstract |
本研究では,集積型微細電極間に生成したマイクロスケールのプラズマを用いた材料加工プロセスの実現と,マイクロプラズマの加工源としての可能性の探索を目的としている.本年度は,微細なノズル構造を用いたプラズマアークの生成,および,同電極構造の集積化のためのプロセス開発に取り組んだ 直径1mmのトリヤ2%含有タングステンとステンレス鋼板間に配置した内径0.3mmノズル内で,直流電圧印加による大気圧プラズマ生成を行った.このとき,ノズル中には,アルゴンガスを0.5l/minで流した.また,プラズマ生成時の電圧・電流測定および高速度カメラによるプラズマアークの直接観察を行った.これまでにサブミリ空間においてプラズマアークを生成した例はほとんどない.アーク長5mm,タングステン電極の先端角30度でアーク生成を行ったときの電圧波形から,正常グローから異常グロー領域,あるいは,グロー-アーク遷移領域での放電と考えられた.ノズルから噴出したプラズマの直径は,ノズル出口でかなり緊縮しているが,陽極付近では0.3mm程度まで広がった.この新規電極構造を用いることで,ステンレス板に,直径30~40μmの溶融スポットを形成することに成功した.また,上記ノズル構造の更なる細径化を行うため,非線形光リソグラフィー導入により,半導体加工プロセスの適用範囲を立体基板上へと拡張し,立体構造上に,最小線幅470nmの誘電体ライン構造を得ることに成功した.また,現在,熱伝達率に優れたノズル材料の磁気中性線方式プラズマによるエッチング加工実験を進めている
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