2009 Fiscal Year Annual Research Report
EUVレーザーによるアブレーション基礎過程の解明とマスクフリー微細加工への展開
Project/Area Number |
21360364
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河内 哲哉 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40343941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石野 雅彦 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (80360410)
ファエノフ アナトリー 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, リサーチフェロー (10469794)
長谷川 登 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (50360409)
越智 義浩 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (20370372)
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Keywords | 材料加工、処理 / 量子ビーム / 高性能レーザー |
Research Abstract |
平成21年度は、EUV光に対して高い感度を持つレジスト材を入手し、そのシリコン基盤への塗布および露光後の現像処理環境を整えるとともに、レジスト材に対するEUVレーザーの最適露光条件を実験的に明らかにした。また、EUVレーザー干渉計の設計を行い、干渉計の製作を行った。干渉計の光軸調整では、互いに干渉させる2つの光線の光路長を厳密に一致させるために、100フェムト秒のパルス幅のチタンサファイアレーザー(波長800nm)をEUVレーザーと同軸で干渉計に導入した。EUVレーザーの時間コヒーレンス長は1ピコ秒程度なので、チタンサファイアレーザーによる干渉縞が得られる条件を光軸調整から見いだすことにより、EUVレーザー干渉計として十分な精度の調整が可能になった。 EUV光によるアブレーション基礎過程の解明に関しては、絶縁体(フッ化リチウム)、金属(金、銅、アルミニウム)、半導体(シリコン)の試料に対して、実際にアブレーション実験を行った。EUVレーザーを直入射多層膜球面鏡で集光し、試料位置を集光点付近で移動させることにより、単位面積あたりの照射EUV光子数を変化させ、各試料のアブレーション閾値を実験的に決定した。更に、アブレーション痕の深さを原子間力顕微鏡(AFM)で観察することにより、EUVレーザーの物質への侵入深さと照射フルエンスの相関を実験的に明らかにした。現在、理論計算との詳細な比較を行っており、EUVレーザーと物質との相互作用における非熱的効果と熱的効果の割合を明らかにしていく予定である。 今年度の研究成果の一部は、Applied Physics Letters、Optics Letters誌等の学術誌へ合計7本の論文と、SPIE photonics and Optics、第5回アジア高強度レーザー科学シンポジウム等の3件の招待講演として発表した。
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