2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ系化合物のミクロ分散による二酸化炭素高速隔離プロセスの創製
Project/Area Number |
21360366
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有山 達郎 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (10436165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 亮 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70111309)
植田 滋 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80359497)
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Keywords | 地球温暖化 / 二酸化炭素削減 / 二酸化炭素隔離 / 固体化学吸収 / アルカリ系化合物 |
Research Abstract |
鉄鋼プロセスにおけるCO_2排出源は高炉のみならずコークス炉、焼結機、発電所、圧延工程などに広く分散し、その濃度、量が異なるため多角的な対応が必要である。本研究はアルカリ系化合物をベースにした新しい固体化学吸収法を提案するもので、平成21年度はCaO、KOH、K_2CO_3などの基本物質の評価を終え、BaO-TiO_2、Li_2O-TiO_2などの複合系化合物について熱力学的な検討、及びTG-DTAによってC0_2の分離、脱離実験を行った。その結果、複合系化合物の場合、水和性抑制、反応性コントロールのためには、強塩基性酸化物をTiO_2、ZrO_2等との化合物にすることが有効であることが判明した。また、これらの化合物生成に関する熱力学データが少ないため、状態図を用いて化合物のCO_2吸収反応を考察し、反応機構を明確にすることができた。総合的にSEM、XRDによる分析によって吸収物質の構造変化、使用するに適正な温度を明確にできた。また、これらの物質をSiO_2、Al_2O_3など多孔質体に担持させる方法も試みた。しかし、昇温時に焼結化を防ぐ方法の検討も必要であり、H22年度には安定化剤の添加などによる改善を施す予定である。また、充填層実験を可能にするシミュレーター装置の製作も行い、単一粒子から充填層としての評価を可能にする目途が立った。 さらに密度汎関数法による平面波・疑ポテンシャル基底を用いた第一原理電子状態計算プログラムパッケージであるVASP(Vienna Ab-initio Simulation Package)を用い、吸収体への吸着シミュレーション計算を一部、実施した。その結果、CaO、BaOなどのモデル物質を対象にCO_2の吸着サイトの同定、生成熱の理論的算出が可能になった。
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Research Products
(5 results)