2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温酸化初期過程の皮膜表面における酸素活量その場測定用センサーの開発
Project/Area Number |
21360368
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 憲一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50270830)
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Keywords | ジルコニア / 表面酸素ポテンシャル / ガス拡散律速 |
Research Abstract |
電子導電性を有する高温酸化皮膜表面を電極とし,そこに酸化物イオン導電体である安定化ジルコニア固体電解質を接触させたときに生じる起電力によって,酸化皮膜表面の酸素活量を測定できる。本研究では,酸化によって低下する試料付近の酸素分圧を同時に測定できるように試料の垂直方向に多数の電極を安定化ジルコニア上に作製した酸素センサーを新たに設計・作製し,酸化皮膜表面から雰囲気中までの酸素活量に相当する酸素分圧分布を明らかにすることを目的としている。 本年度はセンサーの改良を行った。すなわち,安定化ジルコニア電解質細管の一方の端部を割ることで鋭利にし,φ0.2mmの白金細線をその端部から3,6,9,12,20mmの位置に巻き付け,白金ペーストと共に焼成し雰囲気測定用の電極を構成した。また,このセンサーと試料を2Kの温度差の中に設置出来るように装置を改良した。作製したセンサーを1123K,Ar-1%0_2(流量50,150ml/min)中におけるFeの高温酸化に適用し,酸化皮膜表面近傍の酸素分圧分布を測定した。酸素分圧は皮膜から雰囲気に向かって,距離に対して線形に上昇した。酸素分圧分布から外挿した皮膜表面の雰囲気の酸素分圧は,Ar-1%O_2の流量150ml/minの時2.80×10^<-3>atm,50ml/minの時1.70×10^<-3>atmとなった。ここから求まる酸素ポテンシャルμO2_<ad>は,150ml/minの時-312kJ/mol,50ml/minの時-317kJ/molとなった.しかし,試験片の配置の問題から表面酸素ポテンシャル測定時に加熱用電気炉のノイズの影響を受け,表面酸素ポテンシャルを同時に測定することは出来なかった。
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