2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を用いた中低温還元拡散による自然順応型銅族合金薄膜形成法の開拓と応用
Project/Area Number |
21360369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
邑瀬 邦明 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30283633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 博之 京都大学, 工学研究科, 教授 (10293656)
一井 崇 京都大学, 工学研究科, 助教 (30447908)
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Keywords | イオン液体 / 室温溶融塩 / 常温溶融塩 / 還元拡散 / 電析 / 合金形成 / 薄膜 / めっき |
Research Abstract |
・樹脂表面への皮膜形成条件の探索…真空紫外光照射を用いて樹脂基板表面のナノメートルスケールの粗化を行い、合金皮膜の密着性を確保する試みに関しては、現時点でまだ照射時間や雰囲気等の最適化ができていない。一方これと平行し、電解銅箔張りの耐熱性エポキシ基板から銅薄層を溶解除去して得た粗な表面をもつ基板を便宜的に用い、エポキシ樹脂表面への定電位Cu-Zn合金形成挙動を調べた。ここではまず、無電解めっきによりエポキシ基板表面に厚さ0.5μmの銅膜を形成し、それを還元拡散の手法で合金化した。その結果、(1)合金化電位に依存してγ-Cu_5Zn_8相、β'-CuZn相、ならびにZnが固溶したα-Cu相を作り分られること、(2)設備備品として購入したグローブボックスにより雰囲気制御を厳密に行うことで高い実験再現性が得られること、ならびに(3)合金形成の経時変化の挙動を明らかにした。また、電位と形成相の相関を熱力学的に考察した。 ・リチウム電池負極としての特性評価…Cu-Sn合金(Cu_6Sn_5相とCu_3Sn相)はリチウム電池の新しい負極材料として注目されている。この2つの相うちCu_6Sn_5相がリチウムの挿入脱離に対して活性と考えられているが、物理蒸着等ではCu_6Sn_5相の単相が得られにくいため、詳細な検討が難しい状況にあった。一方で、還元拡散法を用いれば合金化電位の制御によりこの2相を厳密に作り分けできることがこれまでの研究から明らかになっている。本年度は還元拡散法でエポキシ樹脂表面に形成したCu_6Sn_5相とCu_3Sn相の単相薄膜を用い、リチウムの挿入脱離挙動をサイクリックボルタンメトリーにより調査した。その結果、Cu_3Sn相においてもわずかにリチウム挿入が見られるものの、ほぼ不活性とみてよいレベルであることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)