2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子合金系の相平衡解析のための固液間界面エネルギーの測定手法の開発
Project/Area Number |
21360370
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10179773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 健 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90435933)
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Keywords | 固液間界面エネルギー / 固体表面エネルギー / 合金 / 熱力学モデル / Dupreの式 / Cu-B系 / KCl-AgCl系 |
Research Abstract |
平成21年度は合金系における固液界面エネルギーを測定するための装置の試作と固液界面エネルギーを推算するための熱力学モデルの導出を試みた。 先ず、固液界面エネルギーの測定装置については、固相と液相が共存する際の固相を固体基板とし、その上に液相を静置させ、高温保持時に固体基板上に生じた液体の円弧を撮影して、固体基板上部の液体の接触角を測定する装置を作製した。この試料を炉内で低温部に移動させた後、急冷し、冷却後の試料を切断して、断面を観察し、基板表面の下に隠れた液相と固相間の接触角を測定した。上記の固体基板上部および下部の接触角より、Dupreの式を利用して、固体の表面エネルギーと固液間界面エネルギーを測定した。特に、固相、液相、気相が共存する点付近の試料断面組織を詳細に観察するために、平成21年に購入した走査電子顕微鏡を活用した。(金属系以外の試料については購入した蒸着装置を利用して観察試料の作製を行った。)平成21年度は、Cu-B系とKCl-AgCl系をモデル系として扱い、両者のそれぞれの固液間界面エネルギーの測定を行った。 一方、合金の固液間界面エネルギーの熱力学モデルに関しては、Broken-bondモデルの考え方に基本的に従い、さらに融解のエントロピーに相当するエントロピーの影響も考慮したモデルを同種した。その際、界面の形成に伴って生じる新たな異種原子間の相互作用エネルギーを考慮した。本モデルでは、純粋金属に対する固液界面エネルギーの実験値を再現でき、また、プラスの異種原子間相互作用を持つ合金系における固液界面エネルギーの文献値を再現できることを確認した。 なお、ナノ粒子系における相平衡に対する熱力学的検討も行った。
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Research Products
(1 results)