2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子合金系の相平衡解析のための固液間界面エネルギーの測定手法の開発
Project/Area Number |
21360370
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10179773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 信充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50294020)
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Keywords | 熱力学データベース / 固液間界面自由エネルギー / 静滴法 |
Research Abstract |
今年度は、合金系の固液界面エネルギーの推算モデルについて、系全体の自由エネルギーに及ぼす界面近傍のエンタルピーおよびエントロピーの過剰分の寄与を考慮することから始め、純粋金属系ならびに正の混合熱を有する合金系の固液間界面自由エネルギーの推算式を導出した。得られた計算式は、純粋金属系の過去に報告されている固液間界面自由エネルギーの値を良く再現し、さらに、界面偏析を伴わない正の混合熱を有する各種合金系(例えば、Zn-Sn系、Al-In系、Fe-Cu系など)の固液間界面自由エネルギーの温度および組成依存性に関する文献値を実験誤差範囲内で適切に再現できることを確認した。 得られた計算式は、さらに、本研究の実験で得られたCu-B系における固液間界面自由エネルギーの実測値を再現でき、さらにAg-Bi系における固液間界面自由エネルギーの温度・組成依存性の傾向を適切に説明できることが明らかとなった。この点は、従来報告されているモデルでは説明できなかった。また、これまで報告値のない一連のFe基成分系合金におけるFeの融点近傍の温度域に対する固液間界面自由エネルギーの値を推算した。これらのデータは、固液界面の存在を仮定した場合のナノ粒子系の平衡状態図の推算に利用でき、またナノ粒子系合金の相平衡の熱力学的検討をさらに深める際に極めて重要な情報となった。上記の固液間界面自由エネルギーの推算モデルならびに測定と並行して、熱力学的データベースと直結させて、ナノ粒子系の平衡状態図を計算する計算システムの構築も行った。さらに、上記の扱いをイオン性混合溶体、酸化物系スラグにも適用するために、これらの融体の表面張力の推算モデルについても検討を行い、推算モデルの導出ならびにその妥当性の検討を行った。
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Research Products
(3 results)