2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子/高分子コンポジット薄膜内流動・拡散現象とナノ粒子空間構造との相関の解明
Project/Area Number |
21360375
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚田 隆夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10171969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿尻 雅文 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60182995)
久保 正樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50323069)
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Keywords | ナノ粒子 / 高分子 / コンポジット薄膜 / 流動 / 拡散 / 塗布 / 空間構造 / 塗布欠陥 |
Research Abstract |
本研究では、無機ナノ粒子/高分子コンポジット薄膜材料を産業レベルにまで展開するために必要不可欠な欠陥の無いコンポジット薄膜形成(塗布)技術の確立に資するため、基板に塗布された無機ナノ粒子/高分子/有機溶媒系薄膜の1)拡散現象、2)レベリング現象及び3)dewetting現象の詳細をその場観察実験及び数値シミュレーションにより明らかにすることを目的とする。本年度は、本目的を達成するために以下の3点を実施した。 1.ナノ粒子/高分子/有機溶媒系薄膜の乾燥速度の測定 前年度までに作製・調整したその場観察装置を使用し、超臨界水熱合成法により合成したオレイン酸表面修飾セリア(CeO_2)ナノ粒子を含むポリスチレンコンポジット薄膜について、溶媒蒸発に伴う膜厚分布の経時変化、すなわち溶媒蒸発速度の測定を行った。そして、ナノ粒子の添加が乾燥速度に影響を及ぼすことを実証した。 2.ナノ粒子/高分子コンポジット薄膜のdewetting現象の解明 スピンコーティング法により作製したナノ粒子/高分子コンポジット薄膜に対して、加熱の際発現するdewetting現象を光学顕微鏡により観察するとともに、薄膜表面モルフォロジーをAFM、SEMで観察し、薄膜内のナノ粒子空間分布をTEMで観察した。その結果、薄膜内でナノ粒子が薄膜表面に偏析することによってdewetting現象を抑制していることを明らかにした。また、この実験結果を、膜の安定性の観点から理論的に証明した。 3.粒子/粒子相互作用ならびに粒子分散凝集過程の解明 1.および2.に関連して、ナノ粒子の薄膜内空間構造の解明を志向し、粒子/粒子相互作用を考慮して粒子凝集体形成過程を数値シミュレーションによって検討した。その結果、有機修飾鎖の種類、溶媒の種類を滴切に撰定すると、粒子の凝集が抑制され粒子の分散状熊が保持されることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)