2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分散性ナノ粒子のプラズマ気相発生・輸送制御によるナノ空隙構造膜の生成
Project/Area Number |
21360380
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70178953)
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Keywords | ナノ材料 / 薄膜・微粒子形成操作 / 微粒子移動操作 / 非凝集粒子 / 堆積 |
Research Abstract |
本研究では、内部にナノスケールの微細空隙を有した純度の高い膜状物質を気相プロセスで作成するために、非平衡RFプラズマCVD法を用いた分散性の高いナノ粒子の生成と、ナノ粒子を輸送し基板表面に連続的に堆積させて膜を形成させる手法を組み合わせた技術を開発して、その有用性を明らかにしつつ、膜の構造に応じた適切な生成条件を提示することを目的として研究を行った。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.前年度製作したRFプラズマ法によるナノ粒子発生装置を用いた堆積用モデルナノ粒子の発生実験を行い、発生粒子の性状をエアロゾル計測装置によるインライン計測や捕集粒子の電子顕微鏡観察等により評価した。発生装置の諸条件が粒子性状に与える影響を系統的に検討し、粒径や濃度の制御指針を得た。粒子形態については、非凝集ないしソフトにネッキングした粒子が得られる条件を見出すとともに、粒子の気相加熱処理等の援用の有用性も示された。 2.発生させたモデル粒子を前年度製作した堆積用チャンバに導入し、シリコンウェハ小片の基板上に輸送して堆積実験を行った。常温場での基板上の堆積物を電子顕微鏡観察したところ、堆積物中にみられる一次粒子は堆積粒子の一次粒子を、堆積速度は気中粒子の濃度や堆積頻度を、それぞれ反映しており、モデル粒子の性状を保持した非稠密な膜状物質が構成できることがわかった。 3.堆積粒子を非凝集粒子とした場合には、凝集粒子とした場合と比べて、生成した堆積物の構造がより均一になった。凝集粒子を堆積させた場合、および凝集粒子と非凝集粒子を同時に堆積させた場合には、一次粒子のスケール程度の空隙とともに、凝集粒子スケールの大きな空隙がランダムに分布した膜状物質となった。また、堆積場に直流電場を形成することで堆積速度が変化すること、および堆積物中の粒子群に電場方向に配向する傾向が生じることもわかった。
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Research Products
(5 results)