2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリカネットワークエンジニアリングの提案と高度分離膜の創製
Project/Area Number |
21360381
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都留 稔了 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (20201642)
|
Keywords | シリカ膜 / 気体透過 / 細孔径 / Knudsen |
Research Abstract |
本研究では,シリカアモルファスネットワークの細孔径制御技術として,構造化アルコキシドの利用を提案している。構造化アルコキシドは有機官能基がSi原子に直接結合したSi-C結合を有し,加水分解後も残存しゲル化する。本研究では,アルコキシドのSi原子数1個および2個以上の構造化アルコキシドを用いて,テンプレート法およびスペーサー法によりシリカネットワーク制御技術の確立を目的とする。以下を本研究の研究実績とする。 (1) ゾルの調製:市販されている構造化アルコキシドとして,Si=1ではTEOSの1個のエトキシドをアルキル基で置換した各種のアルキルシランR-Si≡(OEt)_3(R=(CH2)_n:アルキル基としてn=1, 2のMetyl(triethxysilane)およびフェニル基置換のPhenyltriethoxysilaneを用いた。さらに,Si=2としては(EtO)_3≡Si-R-Si≡(OEt)_3(アルキレンR=(CH_2)_nとしてn=1, 2,のBis(triethoxysilyl)methane, Bis(triethoxysilyl) ethaneを用いた。 (2) ゾルおよびシリカ粉末の評価:窒素雰囲気および空気雰囲気で熱重量測定を行い,熱分解温度および酸化条件での安定性の検討を行なった。さらに,窒素吸着により各種シリカ粉末の特性評価を行なった。 (3) 製膜:αアルミナ基材(3および10φ)への製膜を行なった。焼成雰囲気は空気および窒素雰囲気とした。各種の単成分気体透過実験を行なった結果,Siが1個の珪酸エチルTEOSでは約3Aの平均細孔径を有するのに対して,各種構造化アルコキシドを用いることで細孔径を4-7A程度に制御可能なことを明らかとした。 (4) 透過モデル式の提案:構造化アルコキシドを用いたシリカ膜は,従来法のシリカ膜と比べて細孔径を大きく制御(4-6A)することが可能なことを明らかとした。各種の膜材料を評価するためには,細孔径の評価を行なう必要があるが,4-6Aレベルの細孔径を評価うする手法はこれまで提案されていなかった。200℃での気体透過率に基づき,Knudsen透過機構を考慮した細孔径分布評価モデル式を提案した。
|