2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体認識と移動現象の解析に基づいた高効率クロマトグラフィープロセスの構築
Project/Area Number |
21360382
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 修一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80144921)
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Keywords | クロマトグラフィー / 生体認識 / プロセス開発 / イオン交換クロマトグラフィー / モノリス / タンパク質 / DNA / PEG |
Research Abstract |
96well-マイクロプレートを利用したhigh throughput process development(HTPD)について検討した。Wellに0.1mL程度のイオン交換ゲルを充填してカラムとして利用したところ、ほぼカラムと同様な勾配溶出挙動を得ることができた。吸着特性について、動的吸着量の測定値は小型充填カラムとほぼ同等な値であった。本方法では吸引により不連続に送液しているが、滞留時間の制御は困難であり正確な動的吸着量の測定には適していないと考えられた。次に、回分式吸着実験を実施したところ、数10mL規模でのビーカー実験結果と同じ値を得ることができた。なお実験はイオン交換のみならずprotein A-抗体系についても行なった。 本HDPDでは、作業液量が200μL、ゲル量が数μLであり、試料液量を大幅に削減することができる。また、同時に多数のデータ測定が可能であり静的吸着量(吸着等温線)の迅速な決定が可能であることを明らかとした。ゲルのスクリーニング、適切な移動相(溶媒)条件の選択さらには最適な脱着(溶出)移動相(溶媒)の決定にも有用である。 一方、動的吸着量については、小型カラムの破過曲線から動的吸着量と滞留時間の関係およびおよび動的吸着量/静的吸着量と滞留時間の関係を決定する。次に、HDPDから得られた平衡吸着量を基に、静的吸着量を計算し、任意の滞留時間に対する動的吸着量が計算できる。 この方法の妥当性についてはカラムの小型化の限界を確認しておく必要があることが明らかとなった。また移動相にPEGを添加することによる分離性能の向上およびPEG化タンパク質の分離特性についても有用な知見を得た。
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Research Products
(6 results)