2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代合成燃料製造プロセスにおける流動層反応装置の強化と最適化
Project/Area Number |
21360389
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (00177312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 勉 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30323330)
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Keywords | 流動層 / 燃料合成 / 固体触媒反応 / 反応装置 / 水素化反応 / 体積変化 / 非流動化 / 流動停止 |
Research Abstract |
一酸化炭素と水素からガソリンを製造するような反応は体積が減少する反応であり、このような反応を流動触媒層で行う場合には、反応ガスのエマルション相におけるガス速度が低下することにより非流動化が起きることをこれまでの研究で明らかにしてきた。本研究では、さらにこれまでに提案してきたメカニズムについて定量的な検討を行った。その結果、ガス体積減少速度が0.021/sを越えるような体積減少が起きる場合に、反応によって減少するエマルション相内のガス速度を維持できるだけの気泡相からエマルション相へのバルクのガス流れが生じることは不可能であることが分かった。つまり、流動層にとっては流動化という本質にかかわる部分に影響がでるため、モル数が減少する反応を行うと流動性が低下することは宿命である。また、逆の現象であるモル数が増加する場合の検討も行った。これは多孔質のアルミナ粒子に水を担持して温度を上昇させることによって流動化ガスを増加させた。透明なヒートをコーティングしたカラムを使用することによって、カラム内部での現象を可視化した。エマルション相のガス速度が上昇するため、予想通り極めて良好な流動化状態が達成できることが確認された。さらに本年度は従来の実験よりも高い速度での非流動化現象についての検討を行った。従来はガス空塔速度が5 cm/sまでの流速域において、非流動化が起きることを観察していた。ガス速度を上げることによって非流動化が発生しないのではないかとも考えられたが、ガス空塔速度が実用的な速度である40 cm/sにおいても非流動化が起きていることが分かった。つまり、工業装置においても、モル数減少をともなう反応を行う場合には、良好な流動性を維持するためには操作条件等に注意が必要であることを明らかにできた。
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Research Products
(6 results)