2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360391
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 慶吾 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40451801)
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Keywords | 金属水酸化物錯体 / 合成 / 溶存種 / 制御 / 担持 |
Research Abstract |
本申請研究では、以下の(1)~(3)の戦略に基づいて構造の規定された活性点構造を有する金属水酸化物触媒を調製し、それらを用いた高効率触媒反応系の開発を目的とする。(1)金属原料中に塩素、アンモニア、有機物を一切含まない単核錯体の調製、(2)単核錯体を前駆体として、pH、濃度、温度などのパラメーター制御による溶存状態の系統的制御、(3)制御された溶存種の担体への担持。前年度までは、担持単核(もしくはそれに近い)ルテニウム水酸化物触媒の調製を行い、アルコール酸化反応などに対する高活性の要因を量子化学計算などを用いて明らかにしてきた。 本年度は、まずは担持単核ルテニウム水酸化物触媒を用いて、有機アジドからの酸化的ニトリル合成というこれまでにない新しい反応を開発した。本担持単核ルテニウム水酸化物触媒を用いると、種々のベンジル型、アリル型、脂肪族アジドから対応するニトリルを高収率、高選択的に得ることができた。さらに本触媒は活性、選択性を低下させることなく再使用が可能であった。 ルテニウム以外の金属種を用いて高機能な担持水酸化物触媒の調製および高効率な触媒反応系の開発にも成功した。例えば、マンガン酸化物を担体とする担持銅水酸化物触媒が末端アルキンの酸化的ホモカップリング反応に高い触媒活性を示すことを見出した。基質には種々の芳香族および脂肪族アルキンを用いることが可能であり対応するジインが高収率で得られた。また、反応途中にろ過により触媒を除去すると反応が停止し,さらに銅種の反応液中への溶出もないことから本触媒が不均一系触媒として作用していることが明らかとなった。 また、オレフィンのエポキシ化反応に対するタングステンをベースとした高活性な担持触媒の開発にも成功した。
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Research Products
(10 results)